内容説明
日本思想の可能性の宇宙樹。南方熊楠論。
目次
第1章 市民としての南方熊楠
第2章 南方マンダラ
第3章 燕石の神話論理
第4章 南方民俗学入門
第5章 粘菌とオートポイエーシス
第6章 森のバロック
浄のセクソロジー
第8章 ポリフォニーとマンダラ
結論 来たるべき自然哲学
ヘリオガバルス論理学
書簡による南方学の創生
Une sorte de Mozart Tib´etain
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
snow
2
おもしろいけど、哲学や仏教の素養がないと言葉がむずかしいのか…?横文字が得意ではないので意味が取りづらいところが多かったので理解まではできてない気がする。とりあえず今回は雰囲気だけさらっと。時間をおいて再読してみたいかな。2024/03/12
greenman
2
文庫で削られていた章、「浄のセクソロジー」を読むためにハードカバー版も借りる。「浄のセクソロジー」は、男色をも研究していた南方熊楠の男色観を、中沢新一が研究したものだ。男色は熊楠の「生の様式」と密接に関連していて、「浄の男道」に熊楠が多形的な性を見ていたという説は興味深い。2011/06/24
nakaji47
1
ううむ…何たる知性であることか。正直途中までは頑張って付いて行けたが最後で振り切られてしまった感じ。西洋的、キリスト教的認識に違和感を感じる日本人として、この中に答えがあると確信しているのであるが。もう少し勉強してもう一度読んでみたい本。難解なのは話の中身そのものであって文章は極めて明快。2009/08/21
mogihideyuki
0
メモ(P52):市民社会は、みずからの起源を隠蔽する傾向をもつ。これは、市民世界全体が、伝統的に自然な権威とされてきたものを否定する意識から、発生したものであることに、原因がある。市民の文化の根拠は、自然の中にも、神の中にも、みいだすことはできない。……このような社会は、みずからの起源を語ることを、あらかじめ禁じられている。自然も神も、もはや社会にたいする「外」ではありえないから、パロディや戯画で描かれるようになる。市民世界は、こうして始原を隠蔽した社会として、成立するのだ。2016/11/25
zk
0
面白いけど、どんどん適当になってくる。終盤はキツい。胡散臭いのは楽しめるけど適当に書かれると萎える。2019/04/08