出版社内容情報
〈内容目次〉神秘的な光の体験 悪魔と両性具有 宇宙の再来と終末論 綱と操り人形 宗教的シンボリズムに関する考察
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
悪魔は二つであることの病の象徴であり、両性具有は一つであることの理想の象徴である。様々な民族文化に散見される対立物の一致という観念は「完全な人間」や「永遠の子」、二つに分かれる以前の「黄金時代」の神話を創り出した。綱、木、山が天と地を結び、塊茎(山芋や馬鈴薯)が樹木となるというイメージは、対立物は同じ構造を持つゆえに一つになるはずである、とする古代の宇宙観を作り出すアナロジー思考の効果である。著者はこの思考に「現実世界の法則」に晒され、「失われた楽園」を回復しようとする宗教のアルカイックなモチーフを読む。2021/07/23