内容説明
18歳から21歳まで歌を歌っていた。早くおじいさんになりたいと思い、25歳のとき、町の小さな本屋の店主として暮らしはじめた。それから、20数年、ほんとうのおじいさんになりかけたとき、なぜか無性に歌が歌いたくなり、歌手にもどった。頑固なほどに不器用に、恥ずかしいほどに自分をいつわらない生きかた。新しい人生をはじめた早川義夫の最新エッセー。
目次
この世で一番キレイなもの(歌を作る;僕がやろうとしていること ほか)
たましいの場所(お正月;父さんへの手紙 ほか)
忘れていること、忘れられないこと(鎌倉;江ノ島に行った ほか)
歌は歌のないところから聴こえてくる(母によく言われる;ビートルズが好きなのに ほか)
僕は僕を知りたくて本を読む
著者等紹介
早川義夫[ハヤカワヨシオ]
1947年、東京生まれ。元歌手、元書店主、再び歌手
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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まど
15
宮藤勘九郎のエッセイで素晴らしい紹介をされていたので読んでみた。やっぱり素晴らしかった。こんなに純粋なおじさんのエッセイが読めて幸せに思う。体の隅々まで文章がいきわたって心がユルユルなる。ユルユルしてるとズットーンとすごい文章が飛んできてびっくり。「クラシックが一流で、歌謡曲が三流なのではない。クラシックの中に一流と三流があり、歌謡曲の中に一流と三流がある。あなたが一流で、私が三流なのではない。あなたの中に一流と三流があり、私の中に一流と三流があるのだ。」2010/08/06
xtc1961ymo
8
飾らない(飾れない?)人の何のてらいの無い言葉。はっとする文章がそこここにあります。例えば「お金とゴミは貯めれば貯めるほど汚なくなる。お金持ちほど、ケチでせこい。お金をもっていない人ほど、お金にルーズで、おおまかで、人におごったりする。」本屋の経験からどんな客が好きかと聞かれ爽やか気分にさせてくれる客だとか、世の中にうまく溶け込めない早川さん、得意な事は一つだけでよいがその一つを見つける為に一見無駄とも言える遠回りをいつまでも続けるのかも知れない。良い本です。2015/03/05
merry
8
スミスの本棚より。歌手→本屋→歌手と仕事を変えた著者。柔らかい言葉達。2015/02/20
gachi_folk
7
以前シバさんの前座を演らせてもらった際、図々しくもアドバイスを求めた。シバさんは「アドバイスなんて偉そうな事は言えないが、やっぱり過去では無く今の歌を歌った方がいいよ」と話してくれた。本著で早川さんも同様に語る。「人のことよりも、人が何を歌っているかよりも、自分が今、何を歌いたくなったかが大切」と。あの時代を生きた歌い手はやはり一本ぶっとい背骨が通っているな。2013/06/16
こすもす
7
正直者ですね!2013/05/02