出版社内容情報
【世界で活用されている障害者や高齢者のための環境設定法】様々な刺激を与えることで障害者の感覚統合の受理能力を高め、新しい発見を促す「感覚のバリアフリー!」。
スヌーズレンという言葉を聞いてもピンとこない方が多いと思う。スヌーズレンとはオランダ語の合成語で香りを嗅ぐという行為と、うとうとする惰眠状態をさしている。これは七○年代の半ばオランダの重度知的障害者を対象にした施設で、一種の教育的刺激を与える環境設定方法として始まった。一般の人は混乱した情報過多の環境の中でも、日常生活に必要な事柄だけを抜粋して生活が営める能力を自然にもっている。が、何らかの感覚障害をもっている人は混乱したまま支障ある生活を強いられている。バリアフリーでもわかるように、ある程度障害に合わせた環境を設定すると普段の生活が潤滑にできるようになる。そういう意味ではスヌーズレンは感覚のバリアフリーともいえる。現在では重度知的重複障害者を対象にするだけではなく、身体障害者、感覚障害者、痴呆症者、慢性の痛感患者、精神病患者、あるいはストレスや過労になりがちな一般の人々にもいろいろな形で受けいれられている。スウェーデンではこんなスヌーズレンを九○年代のはじめから積極的に取り入れ、病院、デイケアセンター、グループホーム、特別学校、保育園、学校などあらゆるところで活用している。
内容説明
世界に広がる感覚のバリアフリー。福祉関係者待望の書。人工的な空間が生み出す新しいコミュニケーション。
目次
第1章 スヌーズレンの歴史とその背景(スヌーズレンの背景;スウェーデンのスヌーズレンの背景 ほか)
第2章 スヌーズレンとはどういうものか(基本的なスヌーズレン;ハビリテーリングセンターのスヌーズレン ほか)
第3章 スヌーズレンの利用実例(小頭症で自閉症のマルクス;脳性麻痺(CP)のリーヌス ほか)
第4章 スウェーデン国内にあるスヌーズレンの紹介(サフィーレンデイケアセンター(マルメ)
ヒリエデイセンター(マルメ) ほか)
第5章 スヌーズレンをつくる―Q&Aと問題点(スヌーズレンの基本形式;私が考える日本的なスヌーズレン ほか)
著者等紹介
河本佳子[コウモトヨシコ]
1950年、岡山市生まれ。1970年、岡山県立短期大学保育科を卒業と同時にスウェーデンに移住。1974年、ストックホルム教育大学幼児教育科卒業。以後、マルメで障害児教育に携わる。1992年、ルンド大学医学部脳神経科作業療法学科卒業。その他、同大学でドラマ教育学、心理学の基本単位修得。1999年、スコーネ地方自治体より25年間勤続功労賞を授与。現在、マルメ大学総合病院ハビリテーリングセンターで作業療法士として勤務
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