出版社内容情報
新資料を駆使し、戦後最大の国家的イベント開催にいたる曲折と関係者たちの奮闘努力を描いた、異色のスポーツ・ドキュメント。
内容説明
東京オリンピック決定のプロセスには劇的なドラマがあり、周到な根回しがおこなわれていた。私たちは、往々にして脚光を浴びる大会そのものに目を奪われがちである。本書は、東京開催に尽力した、いわゆる「井戸を掘った」人びとを、歴史のなかに正当に位置づけようという試みである。
目次
はじめに 三十四年目の夢の実現
第1章 日本人とオリンピック
第2章 幻の東京大会
第3章 敗戦からの挑戦
第4章 総力戦の招致活動
第5章 聖火、東京へ
おわりに 日本人が自信を取り戻した日
著者等紹介
波多野勝[ハタノマサル]
1953年、岐阜県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。同大学院法学研究科博士課程修了。常磐大学国際学部教授。膨大な史料を渉猟しつつ、近現代史における日本外交を斬新かつ柔軟な視点から捉えなおす試みに取り組む
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感想・レビュー
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おかむら
33
来年のクドカン大河ドラマ、阿部サダヲが演じる田畑政治のことを調べててこの本にたどり着く。熱血漢&おっちょこちょい。阿部サダヲのイメージで読むと楽しい。あと招致に協力した日系アメリカ人フレッド和田も、数年前ドラマやった時に大沢たかおだったのでそのイメージで読む。いい人! でも当時のIOC委員への接待工作がなんかあからさまにすごいな。今こんなんできないよなー。でもしてたりして。もひとつ、インドネシアのスカルノ大統領が作った「ガネフォ」っていう新興国オリンピック大会の顛末も驚き。五輪と政治、面白い!2018/03/25
手押し戦車
7
東京オリンピックが戦争で返上となりオリンピックを東京に招致する希望を捨てず多くの人が財源の無い状態から立ち上がり他国に根回しや日本選手が頑張り人が集まる平和の大事さを伝え当時、世界は東西分裂など政治とスポーツが引っ付き固定為替で海外旅行の経費が払えないなど大きな問題があった。人の力は凄さはオリンピックという目標を一丸にし都内を建設や競技場整備など短期間でやり聖火ランナーが沖縄に入った時は当時米国の所有だった土地に国家を流し領土問題を解決させる変換まで勢いを付けた。人は希望があってこそ輝き力を発揮する2014/10/12
ホンドテン
1
図書館で。五輪誘致をめぐる政治過程の概説。40年大会の返上は当然として、64年開催決定後の大会組織代表のギリギリでの交代やら議員連中の容喙やら波瀾万丈というか生臭い展開が続き今も昔も変わらんなと思わせる。それ以上にスカルノの大インドネシア構想やらお馴染みの二つの中国問題やらの外交問題がもたらした混乱には驚いた。2015/08/05