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内容説明
帝国主義時代の欧米人は、成功のまっただなかにあって、没落の予感、追われる者の不安を感じていた。そうした時代風潮を背景に、黄色人種にたいする西洋人の不安感は、どのようなかたちで政治スローガン化され、世論に影響を与えたのか?本書は膨大な資料をもとに、政治、経済、文化、宗教などさまざまな角度から「黄禍」をめぐる言説を考察した、きわめて刺激的な歴史ノンフィクションである。
目次
序章 黄禍論はどのようにして生まれたのか
第1章 黄禍論にたいするイギリスの貢献
第2章 黄禍論へのアメリカの関与
第3章 黄禍論を唱えるロシアの声
第4章 黄禍論にたいするフランスの視点
第5章 黄禍論をめぐるドイツでの議論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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明治国粋主義を調べる中で、岡倉天心の「白禍」について考える前提として、「黄禍」についてそのまんまの題目の本を読んでみた。黄禍というトピックスを通して帝国主義を考えるというのは読み物としても面白いし、黄禍論が日清戦争を契機に流布した言説であったという指摘は、そうなのかと考えるきっかけになった。でも、結局、例えば三国干渉における列強の心理的な態度を考察しようとしても、あたしは露語も独語も仏語も出来ないので、実際に自分で確かめようが無く、いろんな意味で限界を感じた。2011/04/30