内容説明
ソ連の歴史をその成立から崩壊まで批判的に再構築した野心的大作。
目次
第1部 社会主義の起源(社会主義とは何か;なぜ社会主義はロシアで最初に広がったのか)
第2部 実験期(十月革命への道 一九一七年;新体制の誕生―戦時共産主義 一九一八‐一九二一年;選ばなかった道―新経済政策 一九二一‐一九二八年;社会主義の建設 一九二九‐一九三五年;粛清と統合 一九三五‐一九三九年)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
べっか
3
マルクス主義のファンタジーに乗っかったボリシェヴィキのイデオロギー狂信によるでっち上げ(「ソヴィエトの嘘」)は、真なる社会主義国家を建設できたのか。下巻へ。2021/06/30
富士さん
3
最初に読んだ時は何の感銘もなかったのですが、読み直してみるとめちゃくちゃおもしろかった。以前、宮崎市定先生が流行のマルクス史学に抗して、下部構造はそう簡単には変わらない、歴史を変えるのは上部構造の方だと主張されて、歴史に対する個人の貢献を評価するよう語っておられたのを思い出しました。レーニンはマルクス主義のお題目なんてものともせず、自らの意志で歴史の”必然”を実現することにより皮肉にも実際の歴史に対する上部構造の優位を証明したという本書の指摘は、改めて宮崎先生の慧眼に思い至り、興味深く読みました。2017/06/30