出版社内容情報
今日の社会学の前線をリードする「エスノグラフィ」をを特集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
26
岸政彦先生:社会学ですごく問題となるのは、社会的属性と行為との関係です(45頁中段)。ディテールとは「分厚い記述」であると教育されている。ギアーツなどが言っていたこと。リアリティをそのまま共感的に伝えることだ(55頁中段)。岸先生の玉稿「プリンとクワガタ」で、ギアーツが言うように、厚い記述とは、人びとの行為の意味や解釈や文脈を伝えるような記述である、という(64頁下段)。語りはすべて、それ自体が当人による、解釈の活動である(77頁下段)。 2017/12/23
二人娘の父
4
特集-エスノグラフィー質的調査の現在-のみ、読了。全体として、質的調査の幅広さ、調査者の問題意識を知ることができる。個人的には、朴沙羅さんのオーラルヒストリーについての論稿が印象に残った。2023/06/06
スミレ雲
3
量子論のところが興味を持った。説明はできないが、示すことはできる。なるほど、どう使うかはわかるけど、原理はわからないってことか。そんなこといっぱいあるので、やっぱり、自然科学はむつかしいと思った。2018/01/06
Ñori
0
最初の國分氏と岸氏の対談は必見。2019/10/08
大山ささら
0
胸を打つ論文が多かった。特に、金菱清の『最後に握りしめた一枚をめぐるアクティブ・エスノグラフィ』の展開には圧倒される。前半と後半の読み方のアプローチも全く異なる、その気持ち良さにやられた。本書の全体には、微視から巨視へとフォーカスが変わる、その鮮やかな誘導があって、とにかく美しい。2018/04/09