内容説明
健康に関する問題は、文化的・社会的視点から広くかつ深く捉える必要がある。…そのため医療人類学や質的研究法の重要性が叫ばれているが、方法論はやや複雑で十分確立されているとは言い難く、適切な入門書・教科書はほとんどないと言える。調査・研究の必要はわかっていても具体的な方法論がわからないために踏み込めない人が多いのが現実であろう。本書はそういったニーズに応えるために作られた手引き書である。
目次
人類学的アプローチ
健康と病い
ヘルスシステム
健康希求行動と保健医療サービスの利用
セルフ・ケア
住民によるヘルス・ファイナンス
住民参加とプライマリ・ヘルスケア
予防接種の受容とプログラムの持続可能性
リプロダクティブ・ヘルス
生殖行動―ミクロの視点〔ほか〕
著者等紹介
ハルドン,アニタ[ハルドン,アニタ][Hardon,A.]
アムステルダム大学医療人類学講座教授およびアムステルダム社会科学研究学部科学部長。消費者の医薬品使用についての社会的・文化的側面に関する調査の専門家。アジア、アフリカ、ヨーロッパにおける調査研究に20年以上のキャリアを持つ。医薬品の使用および女性の健康に関する出版は多数。欧州連合EUなどの評価調査にもかかわる。現在、国際(欧州)ヘルスアクション財団理事
ヘースト,シャーク・ファン・デル[ヘースト,シャークファンデル][Geest,S.van der]
アムステルダム大学医療人類学教授
石川信克[イシカワノブカツ]
東京大学医学部卒。医学博士。ネパール仏跡発掘団付添医の経験から国際協力に関心を持ち、結核予防会結核研究所に就職。ロンドン大学大学院熱帯衛生学院にて社会医学修士を取得、日本キリスト教海外医療協力会派遣医としてバングラデシュにてPHC、結核対策に従事。以後、JICA、WHO、結核予防会等を通し、様々な途上国にて国際協力に従事。現在結核研究所副所長。専門は結核対策、国際保健
尾崎敬子[オザキトシコ]
慶応義塾大学法学部政治学科卒。東京大学大学院医学系研究科修了。国際保健学修士。バングラデシュにて結核プログラム、インドネシアにて母子健康手帳プログラムなど、住民参加型の保健医療プログラムの実践と研究に携わる。国際協力事業団(現国際協力機構)インドネシア長期派遣専門家、Management Sciences for Health(米国NPO)インターン、立命館大学非常勤講師などを経て、現在国際保健フリーランス
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