内容説明
「小説の王様」は漱石である。トルストイやドストエフスキー、ジェームズ、ジョイスでもない…。『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』等々の作品に込められたテーマや意味は何か、選び抜かれた言葉の源泉や美術的要素をはめ込む意図のありかを探るなど、瞠目すべき叙述で「誤解」を正す。イギリス人の著者が日本語で著した記念すべき漱石文学論の誕生である。
目次
第1章 『門』の再検討(タイトルに潜んでいるもの;漱石とニーチェ ほか)
第2章 『門』までの道(『野分』における最初の微光;『虞美人草』と『ツァラトゥストラ』との関連 ほか)
第3章 『門』以後の道(現実の危険に向かう―修善寺の漱石;『門』の説に反対する『彼岸過迄』の説 ほか)
第4章 漱石とウィリアム・ホルマン・ハント(写生文―美術を真似る文学;ハントの『シャロットの女』の寓意 ほか)
著者等紹介
フラナガン,ダミアン[フラナガン,ダミアン][Flanagan,Damian]
1969年、イギリス・マンチェスター生まれ。マンチェスター・グラマー・スクールを卒業後、1987年から5年間、ケンブリッジ大学のモードリン・カレッジに在籍。1989年から1990年にかけて、東京の国際基督教大学で1学期を過ごし、京都に引っ越し、1年留学。ケンブリッジに帰って、英文学が専攻となった。1993年から6年間、神戸大学で研究活動。日本文学の修士課程・博士課程を経て、2000年に博士号取得。現在、兵庫県西宮市とマンチェスターに住まいを持ち、著作活動に専念
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猫丸
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