内容説明
読書が好きなあなたのための文学作品生成の秘密にせまる読書術。同一ジャンルに属する日本文学と外国文学の類似点・相違点・相互関係を探る「横の関係への視点の拡大」が文学をより深く面白くする、そんな“比較文学的読書”のすすめ。
目次
比較文学的読書とは
作家と外国―ツルゲーネフ『煙』
わが国最初の近代小説―二葉亭四迷『浮雲』
ロマン主義小説―国木田独歩『源おぢ』
自然主義小説―岩野泡鳴『耽溺』
耽美主義小説―谷崎潤一郎『少年』
白樺派の文学―志賀直哉『網走まで』
プロレタリア文学―葉山嘉樹『海に生くる人々』
新感覚派の小説―横光利一『春は馬車に乗つて』
新興芸術派の文学―井伏鱒二『山椒魚』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K7010
0
本著を読むことで日本における文学史の変遷を簡潔に知ることができ、その間に海外ではどういう文学が盛衰していたのか、日本文学は海外からどのような影響を受けてきたのかも学ぶことができる。もしも過去の文学作品に触れる機会ができたとき、その作品が書かれるに至った前後の項を読めば、また違った読み方ができるかもしれない。以前から、どうにも肌に合う小説とそうではない小説があるなと感じていたけれど、時代によって表現方法や裏側に潜む思想に違いがあるのだから当たり前だ。裏側を学ぶことで新しい視線で読むことができるかもしれない。
Ernest
0
思った以上に日本の作家は海外の作家に影響を受けているんだなあ。内容、文体、一部分、いろいろなところにその影響が見えたのが面白かった。耽美主義、意識の流れ、あと日本の自然主義、無頼派の説明もされてあって、勉強になった。比較文学的視点から読書をしてみると見えなかったことが見えてくることはわかったけど、実際それがどれほど理解を深めるのかはじぶんでやってみないとわからない気がした。ここで取り上げられていた本は大抵面白そうなので、関係があるという本をペアで読んでみたい。2013/08/04
究理
0
本著を読むことで日本における文学史の変遷を簡潔に知ることができ、その間に海外ではどういう文学が盛衰していたのか、日本文学は海外からどのような影響を受けてきたのかも学ぶことができる。もしも過去の文学作品に触れる機会ができたとき、その作品が書かれるに至った前後の項を読めば、また違った読み方ができるかもしれない。以前から、どうにも肌に合う小説とそうではない小説があるなと感じていたけれど、時代によって表現方法や裏側に潜む思想に違いがあるのだから当たり前だ。裏側を学ぶことで新しい視線で読むことができるかもしれない。2013/01/22
ksk
0
自国の作家が海外の作家からどのような影響が与えられているか等について書かれている本。思わずへえーと言ってしまうことが多く書かれており、日本の文学史を考えるにも良い本である。2012/07/10