出版社内容情報
モーツァルトやシューベルト,レオナルド,ミケランジェロ,ピカソ等々,天才の子供時代をめぐる数々の逸話伝承,神童をめぐる多様なディスクールを現代の視点から読み直し,天才誕生と時代環境との謎に満ちた関係を解く。貴重な図版を多数収録。
中世においては、悪魔に発するものと疑われ、古典時代には偽物ではないかと警戒され、二〇世紀になると民主的かつ建前としては平等な社会のなかで、神童は不安を掻き立て物議をかもす。というのも彼は規格外れだし、また特に、平等の原理を俎上に載せるからだ。(「はじめに」より)
・「週刊読売」98.3.29
・宮崎日日新聞 98.3.29 同記事、福井新聞、北海タイムス、愛媛新聞など
・「読了後、新童の2世紀こそが、人類史上もっともロマンティックな時代と思えた。」(読売新聞 98.3.1 藤原正彦氏評)
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【関連書籍】
『 『パリの秘密』の社会史 』 小倉孝誠著 (定価3360円 2004)
『 哲学と子ども 』 G・B・マシューズ著 (定価1994円 1997)
『 絵でよむ子どもの社会史 』 ショルシュ著 (定価3465円 1992)
内容説明
世界の集団的記憶のなかに紡がれてきた天才の子供時代にまつわる数々の逸話や伝承、神童についての多様なディスクールを読み直し、多数の珍しい図版・資料を織り込んで、時代と天才出現との深いかかわりを説く。
目次
神童―古代と中世(古代の幼児期、古風な幼児期;神童、悪魔の申し子;幼年期と少年期)
神童の黄金時代―16~18世紀(若き芸術家のたどる道;卓越した芸術家の生涯と伝説;モーツァルトたること―ヴォルフガングとそのライバルたち ほか)
模範的な子供とロマン派的天才―19世紀(崇高なる子供;天才とミューズ;青いペン―青少年期の手稿 ほか)
英才児と天才への幻滅―20世紀(パブロ・ピカソとプリモ・コンティ―「彼もまた怪物だ!」;夭折の芸術家の肖像;作曲家の早熟―年若い天才は現代ではなぜ生まれないか・例外的存在を生むための社会的条件とは何か ほか)