出版社内容情報
エスノメソドロジーの精神と志向性を説き,会話分析の手法を駆使して差別の現実解読を試みた異色作。日常の何気ない一瞬のなかに,障害者・被差別部落のスティグマ,女性という劣位のカテゴリーの再生産をとらえる。
・「週刊読書人」91.12.23 特集「1991年回顧」似田貝香門氏
・「社会学評論」92.43巻2号
内容説明
アイデンティティ管理の呪縛から、からだとことばをとき放つ、日常の一瞬をあざやかにとらえる。
目次
ロバのパン屋のリアリティーまえがきにかえて
1 エスノメソドロジーの冒険(エスノメソドロジーとは「人々の方法」の学である!;〈いま‐ここ〉で働く「権用作用」を暴く;「知の管理」へのアンチテーゼ;ゴッフマンのテーマ;排除と差別の解読へ向けて;子どものけんかに見ることばとからだ;「障害者」という自己執行カテゴリーの挑戦;〈反差別の意志〉と出会うストーリー)
2 排除と差別のエスノメソドロジー(精神病院のエスノグラフィー;男が女を遮るとき;「権力作用」からのパースペクティヴ)