魂の殺人 - 親は子どもに何をしたか

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  • サイズ B6判/ページ数 379p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788501737
  • NDC分類 146.1

出版社内容情報

 教育や躾の名による暴力は子どもたちの魂を粉々に打ち砕き,社会はいずれ手痛い復讐を受けずにはすまない。ヒットラーや少女娼婦クリスチアーネの幼年時代を詳細に分析して,教育の暴力性と非人間性を容赦なくえぐり出した衝撃のロングセラー。

 一度でも母となり父となったことのある方なら、そしてなんにでもほっかむりをしている人でないなら、子どもの性質なり行動なりの中に許し難いものを見て苛立った覚えがおありだと思います。自分の子どもを愛しており、その子の個性を尊重しようと思っていながらそれが出来ないわけですから、自分の子どもにそのようなところを認めるのはとてもいやなものです。頭でいくらいろいろなことを知っているからと言ってそれだけで寛大になれるものではありません。私たち自身が子どもだった時代に私たちに投げつけられた軽蔑を意識して生き、研究することがあれば、私たちもまた子どもたちに軽蔑を投げつけることになるのです。いくら児童発達の法則についてよく知っていても、それだけでは怒ったり憤ったりしない保証にはなりません。子どものふるまいは私たちの考えていることだとか必要としているものに上手く当てはまるとは限らないし、そればかりか私たちの防衛機制を脅かすようなことだってしないとは言えないのですから。(本文より)

 まえがき
 生命力の迫害としての教育
 沈黙の劇の終幕
 恐れ、憤り、そして悲しみ
 あとがき

 ・「小五 教育技術」97.9 やまだじゅんじ氏評
 ・朝日新聞 夕刊 93.11.1 特集「きょういく探検隊 力のしつけは逆効果」
 ・「DIY」93.8
 ・「おやこくらぶ ほっぷ」98.8月号 特集「子どものころにタイムスリップできる本」河合 洋氏
 ・「読後感はあまりに重い」(読売新聞 97.10.4「ロングセラーの周辺」)
 ・毎日新聞 97.10.22 山口正介氏評
 ・読売新聞 2001.4.1 特集「人に本あり(特別編)」

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 【関連書籍】
 『 母に心を引き裂かれて 』 C・A・ローソン著 (定価2625円 とびら社発行 2007.4月)
 『 自分を知り、自分を変える 』 T・ウィルソン著 (定価2993円 2005)
 『 嘘を生きる人 妄想を生きる人 』 武野俊弥著 (定価2310円 2005)

 【新 刊】
 『 レクチャー 精神科診断学 』 京都府臨床心理士会編 (定価2940円 8月刊行予定)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

52
親を含む教育者という立場からの「子ども」は、ただ可愛いがるだけじゃ躾が成り立たない。時期を追って変化する親子の距離感の難しさ、ストレスを生まないための習慣づけ、過干渉や暴力を抑える代わりにすべきことは何なのか、子どもに向き合う立場になった誰もが必ず悩むことだと思う。また、幼少期に親から間違った育てられ方をした子どもがどうなっていくか、ヒットラーなど例に挙げて書かれている。のびのび育つ、育てるってことの意味とは何か。深い心の闇に子どもへの憤りを感じる人にとっては、何らかの気づきが得られるかもしれない。2013/05/14

みゃーこ

32
鵜呑みにしたらもう子育てすべてが危険で身動きがとれなくなってしまう。極端なんじゃないかともう思うが一時期こういうムーブメントがあったからな。2017/01/29

パラ野

24
アダルトチルドレンが流行病のようだった十数年ものの積ん読崩し。児童虐待のルポなどでは、すでに古典扱いになっていたので、読んでみた。ぐるぐる回る論は、何周するんだという感じですが、薬物中毒の女の子、ヒトラー、小児性愛者の殺人者などの育成歴を読み解きながら、挿話として彼女の患者たちの解放されていく姿が現れる。体罰などを「闇教育」というユーモアのある言葉でくくってみせたり。診察室にやってくる患者たちを1つの経験として語るので、汎用すれば、「闇教育」に落ちるのだろう。2015/02/20

無識者

17
大人は教育という名において子供に対しいろいろな仕打ちをすることができるが、子供はそれに逆らうことができない(親の愛が途切れてしまうのを恐れる)。さらには大人の子供に対して行われた暴力に感謝までしなければならない。しかしこの抑圧された精神の根は後になっていろいろな形になって開花してそれが、社会の負債となる。「子供たちは親に指図したり罰したりするわけじゃないし、それに、僕たちが悪いことをしたっていなくなってしまうよなんて言って脅かしたりしない」。2015/08/22

奇跡のバーシ

13
現代社会に絶えない残虐な事件の根っこは幼少時代の両親との関係にある。まさに魂の殺人であり、闇教育に人類を滅ぼすような危機を覚えた。親への教育書として多く読まれてほしい。しかし直訳にこだわってるのか、文章が非常に読みにくい。この本の内容が必要なのは、まさに幼児を抱えたお母さんであり、社会の第一線で奮闘するお父さんである。ただでさえ忙しいその方たちがこんな読みにくい本を読むかと思う。どんなに優れた思想も伝わらなければ、価値は全くない。庶民の為にという目線を持ってもう一度、訳して、再出版してもらいたい。2015/11/25

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