ファンタジーとジェンダー

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ファンタジーとジェンダー

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787232342
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

空想的な創造でありながら、同時に現実社会と対峙し批評するファンタジーという世界。作品を成立させるしくみである「男装の麗人」「戦う女性」「家族」を軸に、そこに織り込まれた現実のジェンダー関係やセクシュアリティにとってのオルタナティブを読み解く。

はじめに

第1章 迷宮の地図を描く――ファンタジーをどう読むか
 1 ファンタジーとは何か
  多種多様なファンタジー
  ファンタジーというジャンル
  ファンタジーのサブジャンル
  戦後日本ファンタジー小史
 2 ファンタジーをどう読むか
  「空想的なもの」の成り立ち
  ファンタジーと社会的現実
  ジェンダーの問題
  「読み解く力」を養うこと
  「フェミニスト・ファビュレーション」としてのファンタジー
  想像力から創造力へ

第2章 「男装の麗人」たち
 1 「男装の麗人」の類型学
  ファンタジーのなかの「男装の麗人」
  「男装」の意味
  『リボンの騎士』のサファイア王子
  『ベルサイユのばら』のオスカル
  現代の「麗人」たち
  「男装の麗人」の四類型
 2 ファンタジーの「古典」における「男装の麗人」
  『指輪物語』と「グイン・サーガ」
  『指輪物語』――「盾持つ乙女」エオウィン
  「グイン・サーガ」――「男装の麗人」諸類型の総登場
  「男装の麗人」たちは孤立している

第3章 「戦う女性」たち
 1 ファ巖洞と城砦の社会体制
  「ダーコーヴァ年代記」――ポリガミーの要請
  「十二国記」――特異なセックス/ジェンダー・システムと家族の構成原理
 3 「開かれた家族」へ
  「近代家族」の概念と現代ファンタジー
  「近代家族」の抑圧的性格
  ファンタジーのなかの家族の布置関係
  現実の家族/ファンタジーの家族
 4 家族をめぐる地図

おわりに――そして、ジェンダーのファンタジーへ

付録 ファンタジー作品紹介

内容説明

空想的な創造でありながら、同時に現実社会と対峙し批評するファンタジーという世界。作品を成立させるしくみである「男装の麗人」「戦う女性」「家族」を軸に、現実のジェンダー関係やセクシュアリティにとってのオルタナティブを読み解く。

目次

第1章 迷宮の地図を描く―ファンタジーをどう読むか(ファンタジーとは何か;ファンタジーをどう読むか)
第2章 「男装の麗人」たち(「男装の麗人」の類型学;ファンタジーの「古典」における「男装の麗人」)
第3章 「戦う女性」たち(ファンタジー世界の「戦う女性」たち;女性たちはなぜ「戦う」のか)
第4章 ファンタジーのなかの家族(散乱する家族―ファンタジー世界の家族像(1)
別種の家族―ファンタジー世界の家族像(2)
「開かれた家族」へ
家族をめぐる地図)
付録 ファンタジー作品紹介

著者等紹介

高橋準[タカハシジュン]
1964年生まれ。福島大学行政社会学部助教授、専攻は社会学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chisarunn

6
ファンタジー小説におけるジェンダー関係やセクシュアリテイについて論じた本。例に挙げられるのがほとんど知ってる小説なのでふむふむ、と納得しやすい。切り口が「男装の麗人」「戦う女性」「家族」というのは目新しくはないがよくわかる。「家族」の中の、ファンタジーの中の家族は「散乱」している、というのにはとりあえず賛成だ。BLは異世界ファンタジーではなく異恋愛ファンタジーとでもいうものだが、BLの中の家族はたいてい破綻していて、新しい家族が作られていくものだからだ。ファンタジー好きなら一読の価値ありと思う。2022/01/15

kenitirokikuti

4
ラノベ領域の作品も取り上げられており、なかなか珍しい。前史として「男装の麗人」。サファイア型とオスカル型。女性は男装せねばバトルに参加できなかった。のち、セラムンなどて制限が外れてゆく。指輪では「男装」はエオウィン、グインはアムネリス以下多数▲戦う女性。ヴァルデマール年代記の『女神の誓い』。エフェラ&ジリオラのような、女剣士と女魔法使いというシスターフッド▲付録の作品紹介に、上橋の「守り人」、秋田の「エンジェル・ハウリング」、西の善き魔女、デルフィニア、『妖精国の騎士』、『吸血姫美夕』、『BASARA』2017/07/09

aoto

1
ファンタジー定義論も中々に多い。ファンタジー作品における女性の立ち位置について論じている。男装の麗人から、戦う美少女に代わっていった点が特に注目されている。それらを作品が発表された時代・社会背景と照らし合わせて論じている。十二国記取り上げてるの新鮮2023/06/19

姫宮紅真

1
とても面白かった。児童文学からヤングアダルト向け、指輪物語のような古典まで見晴らして、「現実世界とは違うしくみ」をどう読むか、を考える本。女性はいかに戦うか、家族はいかに繋がるか、ファンタジーという装置でもって実験することができる。取り上げる作品も豊富ですべてのファンタジー読みにとって一読の価値ありだと思います。2016/09/05

SHINOBU

1
突如として10年過去に気分がタイムスリップしたため再読。この当時はXジェンダーの概念がなくて「男になりたいという希望を捨てない」「生まれ持った女という性別に取り込まれない」方法を模索してたなー。リボンの騎士のラストってどうだったっけ? 結局サファイアは赤いハートを選択して青いハートは捨ててしまったんだろうけど、両方持ち続けるキャラが主人公のファンタジーって読んでみたい。2014/05/07

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