青弓社ライブラリー<br> ヴィジュアル系の時代―ロック・化粧・ジェンダー

電子版価格
¥1,760
  • 電書あり

青弓社ライブラリー
ヴィジュアル系の時代―ロック・化粧・ジェンダー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787232168
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0336

出版社内容情報

鮮烈で華麗な独自の美的パフォーマンスと、退廃のなかに愛と永遠を求める情熱的な音楽で新しいバンドスタイルを築きあげて若者文化に強烈なインパクトを与えたヴィジュアル・ロックを、ロック史や化粧、ジェンダー理論から縦横に解読して同時代を探求する。

まえがき 井上貴子

第1章 ヴィジュアル系とジェンダー 井上貴子
 1 ロックとジェンダー
 2 ヴィジュアル系とジェンダー

第2章 ヴィジュアル・ロックの系譜 森川卓夫
 1 ジャパニーズ・ロックシーンに現れたヴィジュアル・ロック
 2 音楽状況の変質
 3 ロックミュージックの多様化とその波及
 4 八〇年代の特質――個の時代
 5 ヴィジュアル・ロックを概観する
 6 ヴィジュアル・ロックのゆくえ

第3章 拡張された〈男の美学〉――Xをめぐって 井上貴子
 1 伝説のヴィジュアル・ロックバンド「X」
 2 拡張された〈男の美学〉
 3 Xのパフォーマンス――女性性シンボルの流用による男性性の展開
 4 新しいファンダム――「なりたい族」としての「バンやろ」と「コスプレ」
 5 ヴィジュアル・ロック以降――おわりにかえて

第4章 少女たちの居場所さがし――ヴィジュアル・ロックと少女マンガ 室田尚子
 1 ロックと少女マンガとの関係史
 2 ヴィジュアル・ロックが少女マンガにもたらしたもの
 3 少女たちはどこへ行くのか――おわりに

第5章 異性

内容説明

その強烈な存在感とカリスマ的人気で音楽シーンをリードした「ヴィジュアル系」と呼ばれるロックバンド。狂おしいまでに鮮烈、残酷なまでに華麗なその独自の美的空間と情熱的パフォーマンスは新しいバンド・スタイルを築きあげ、若者文化に深いインパクトを与えて、価値観や行動様式に不可逆的な変容をもたらした。頽廃のなかに愛と永遠を求める彼らの音楽は、いったいどこからきたのか?ヴィジュアル・ロックに魅了された論者たちが、ジャンルとしてのロック史、音楽業界の動向、化粧やコスプレ、少女マンガなどのサブカルチャー批評、ジェンダー理論の視点から、その欲望と世界観とを縦横に読み解いて同時代を探求する画期的な論集。

目次

第1章 ヴィジュアル系とジェンダー(ロックとジェンダー;ヴィジュアル系とジェンダー)
第2章 ヴィジュアル・ロックの系譜(ジャパニーズ・ロックシーンに現れたヴィジュアル・ロック;音楽状況の変質 ほか)
第3章 拡張された男の美学―Xをめぐって(伝説のヴィジュアル・ロックバンド「X」;拡張された“男の美学” ほか)
第4章 少女たちの居場所さがし―ヴィジュアル・ロックと少女マンガ(ロックと少女マンガとの関係史;ヴィジュアル・ロックが少女マンガにもたらしたもの ほか)
第5章 異性を装う少女たち―ヴィジュアル・ロックバンドのコスプレファン(ヴィジュアル・ロックバンドのコスプレ文化;ヴィジュアル・コスとアニメ・コスのクロスオーバー ほか)

著者等紹介

井上貴子[イノウエタカコ]
1957年、岐阜県生まれ。東京大学大学院修了、大東文化大学教員

森川卓夫[モリカワタクオ]
1946年、京都府生まれ。同志社大学経済学部卒業。日本コロムビア、ワーナーミュージック・ジャパンなどを経て、現在、エムエムラボ代表。音楽ビジネスのコンサルタント

室田尚子[ムロタナオコ]
1966年、東京都生まれ。東京芸術大学大学院修了、武蔵野音楽大学講師

小泉恭子[コイズミキョウコ]
1966年、大阪府生まれ。東京芸術大学大学院修了、愛知教育大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なのはな(2022年まで)

10
V系には熱心かつ多様な女性ファンが沢山いるにもかかわらず、ステージに立つ女性パフォーマーがほとんどいない現象、すごく興味深い。V系界隈だけの問題じゃないけど、女性が消費者としてしか影響力をもてない雰囲気はやっぱり克服する必要があるんじゃないかな…。あと、自分がいかにロッキングオンとかはっぴいえんど史観とかに洗脳されてるのかを痛感した(笑)私が幼かった時代の話とはいえ、知らないことだらけでおもしろかった。YOSHIKIさんが敬われている理由がよくわかった。2021/02/06

★★★★★

2
ヴィジュアル系ロックの社会学的考察。Xで音楽の道に足を踏み入れた世代としては、非常に懐かしかった。個人的には「ビジュアル系」の表記の方が馴染み深いんだけれど。前半のビジュアル系の系譜学は、当時さんざん言われていたことなのであまり目新しさはなかった(個人的にはニューロマ起源説をとりたい)ものの、後半のコスプレ論はなかなか面白かった。ジェンダー論だけだとどうしても着地点が見えてしまうので、一つくらいぶっ飛んだ論文を入れるとなお良かったかも。2011/02/15

なのはな

1
V系には熱心かつ多様な女性ファンが沢山いるにもかかわらず、ステージに立つ女性パフォーマーがほとんどいない現象、すごく興味深い。V系だけの問題じゃないけど、女性が消費者としてしか影響力をもてない業界はもう時代遅れだよなあ。そして自分がいかにロッキングオンとかはっぴいえんど史観とかに洗脳されてるのかを痛感した。私が幼かった時代の話とはいえ、知らないことだらけでおもしろかった。YOSHIKIさんが敬われている理由がよくわかった。2021/02/06

ハダリー

1
大学で本書の著者の方の授業を取っていたキッカケから手にした一冊。音楽シーンの中でV系に特化しているとはいえ、個々のミュージシャンのファンに向けられた音楽誌やレビュー的なものではない。その為、ファン視点では偏見と思われる点もあるかもしれない。現代音楽という広い流れからV系の諸要素を仔細に分析し(例えばサウンドはメタル、精神はパンクであるなど)、少女漫画やジェンダーやヤオイなどの様々な切り口から語っている。とくにゴシックロマンとの関連性は(新たな視点ではないが)幻想文学好きとしては興味深かった。2013/10/25

unknown

1
ヴィジュアル系ロックを、音楽的分析や、やおい・コスプレ文化への言及も踏まえつつ、ジェンダー的観点から分析。拡張された「男の美学」としてヴィジュアル系を考察していくというのは興味深いものがあった。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/66047
  • ご注意事項