肉体のヌートピア―ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学

肉体のヌートピア―ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学

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  • サイズ B6判/ページ数 210,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787231314
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C0030

出版社内容情報

蒸気につづく電気の時代、見えない光線が支配する新しい魔法の時代。人は既存の身体イメージを解体し、新たなる肉体の風景を描き出した。からくり人形、ロボット、パワード・スーツ、サイボーグ……機械身体をめぐる近代史。

まえがき

序 ヌートピア便り1987――ギブスンとスターリング、ユートピアへの二つの清算状
1 荒野の蒸気人間――オートマトン、スチーム・マン、『未来のイヴ』
2 ロボット三原則の誕生――アヴァンポップから大衆消費社会のイコンへ
3 鞭打たれる脳髄――器官なき精神、身体なきマゾヒズム
4 虚像の巨人――強化服(パワード・スーツ)の考古学
5 切断者の煉獄『リムボー』――サイボーグSFのルーツ

あとがき
参考文献・初出一覧

内容説明

蒸気につづく電気の時代、見えない光線が支配する新しい魔法の時代。人は既存の身体イメージを解体し、新たなる肉体の風景を描きだした。カラクリ人形、ロボット、サイボーグ…機械身体の近代史。

目次

序章 ヌートピア便り1987―ギブスンとスターリング、ユートピアへの二つの清算状
第1章 荒野の蒸気人間―オートマトン、スチーム・マン、『未来のイヴ』
第2章 ロボット三原則の誕生―アヴァンポップから大衆消費社会のイコンへ
第3章 鞭打たれる脳髄―器官なき精神、身体なきマゾヒズム
第4章 虚像の巨人―強化服の考古学
第5章 切断者の煉獄『リムボー』―サイボーグSFのルーツ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

15
(巨大)ロボットの先祖といえばからくり人形(オートマトン)が思い浮かぶが、本書によればさらにオートマトンは、正確な時間計測器である時計の「守護天使」であるという。つまりロボットは時間制度の近代化から発達し、時計の付属物として音楽に合わせて踊ったり、また音楽を演奏したりする自動人形のように、時間の芸術とされる音楽とも縁が深い。しかし彼ら最先端技術であったオートマトンは、やがて見世物としてマジックや超能力と結びつき、その地位を落としてゆく。一方で一部の富裕な人々のためのオートマトンの流れとは別に、2022/05/18

jojou

5
様々な資料を縦横無尽に参照しながら、技術史と文化史、SF史を横断し、それらを結びつける力量は驚異的と言うほかない。2022/02/11

ponkts

2
良書。本来ならば身体的なハンディキャップを抱えた人間に最も大きな恩恵をもたらすパワード・スーツの小説内での扱われ方を見るとき、初期ハインラインの『ウォルドウ』では、身体の拡張という概念のいわば別種である遠隔マニピュレータを操るのは、筋無力症の主人公である。しかし、『宇宙の戦士』では、女性、戦傷者、障害者は戦場からパージされている。永瀬は、こういったボディ・イメージからエスニシティー的、ジェンダー的にも排除されてきた SF 作家たちが、その後サイボーグを扱った作品を多く世に放つことになった因果に必然を見る。2014/09/22

いちはじめ

1
SFのヴィジョンと現実の科学技術史の交錯する境界面での見えざる激しい運動にスポットを当てるスリリングな論考。その着眼点の見事さに目を奪われがちだが、それを支えるSF/現実の科学技術関連の膨大な文献を渉猟する愚直なまでの実証主義的手法こそが本書の生命線であり、SF考証を突き抜けて評論へと昇華させた原動力ではないかと思う。2009/06/26

HARD SEVEN

0
SFのロボット、サイボーグ、アンドロイド(テクノロジー全般)は、人の理想の結晶と使い勝手のいい道具との間を行ったり来たりちゃうのはなんでなんだろう、というか誰のせいなのかと。時計、自転車からパワードスーツ、アンドロイドまで、人間の理想と業を追うかのようなテクノロジーとSF文学の変化=発展の歴史をさくっと読む。門外漢の自分にはダルいところもあったけれど、言ってる事が刺激的なのは分かるし、要所要所、名言がある良書。2013/09/30

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