目次
第1部 数と計算に関する用語・記号(大数と少数の名称の由来;計算記号の由来;割り算の答えはなぜ商なのか ほか)
第2部 式と関数に関する用語・記号(文字使用の歴史;方程式の未知数がxになるまでの長い道のり;方程式の方程とはどういう意味か ほか)
第3部 図形に関する用語・記号(長方形は矩形、台形は梯形だった ほか)
著者等紹介
片野善一郎[カタノゼンイチロウ]
1925年東京都出身。東京物理学校(現、東京理科大学)高等師範科数学部卒業、元、富士短期大学教授(専門は数学史、数学教育史、科学史)
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感想・レビュー
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たか
6
あくまで数学用語や記号の歴史がメインだから数式はちょっとしか出てきませんので数学苦手な人も大丈夫です。2017/08/12
Mori
2
数学の用語や記号の起源や歴史が知れた。意外と凝り固まっていた自分の先入観を認識し、破壊するよいきっかけになった。たまに、読み返して、メンテナンスすべき。2016/04/18
まじぇすた
2
つまらなかった。マメ知識にはなる(方程式の「方程」に言葉としてあまり意味が無いとか)が、数学にしては曖昧で世界史としては脈絡の無い文章で説明も分かりにくく、どちらの立場で読んでも苦痛だった。著者の主観が多々あり1次引用かどうかも疑わしく思えてきてしまった。いっそのこと、索引順の辞書方式で淡々と書かれている方が良かった。この本の主題と外れるが、ほとんどの用語の語源が「ラテン語の何々から」で説明されるのだが、そのラテン語(の音や綴り)の生まれを気にしないのがいつも不思議。2015/04/07
AKa
1
この本の面白いところは、いわゆる入門の類いでよく取り上げられる古代ギリシャやインド、アラビア、そして西洋と言ったメジャーな数学史だけでなく、中国や和算、そして日中の西洋数学を輸入する過程について語られているところ。実は日本の西洋数学導入はダイレクトではなく、当時はそれほど苦労せず読めた中国語訳に頼ることが多かったのには驚いた。しかし、アルファベットを受け入れなかった中国と違い、日本は受け入れた。また、同じ計算法であっても、西洋は論証のため、日中は実学指向であり、本質が違っている。2013/08/08
センケイ (線形)
0
ここから得られるものは単なる雑学にとどまらない。数学という、抽象化の極みのようなものを、人間がどのように表現してきたかのプロセス。それは、抽象的な要素を実装するための手順そのものと言ってもいいのではないか。また、個々の単語についても、言葉の上で新しい概念を知ることができた。例えば「解析」という言葉は、後ろから辿っていくという意味があると初めて分かった。弓の弦や測量になぞらえて解釈するなどの、直観的な理解を試みようとした形跡も面白い。まれにではあるが、その方が有意義な訳語になっている場合もあるようだ。2016/10/30