内容説明
本書は、群・環・および環上の加群を題材にした、抽象代数学の基礎的概念への入門書である。線型代数学を学んだ直後の初学者を対象読者とし、線型代数学における内容と諸概念が、群・環などの基礎的代数系の初歩的運用によって、いかなる描象に成長するかを一つの目標としている。従来の入門書と異なり、整数論への入門(ガロア理論)の代りに、現代的トピックとしていわゆる代数解析の一端の紹介をしている。
目次
1 代数系の基礎
2 線型代数再論
3 群
4 環と加群
5 ワイル代数とその加群
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッ
1
大学3年レベルの代数学をある程度知っている人向け。 書き方は簡潔だが前半部は意外と読みやすいと思った。 後半部の加群の章から難しくなり、大変だった。2019/06/13
しょうちゃん
0
コンパクトでよかった。抽象論を抽象のまま扱っていて筋がわかりやすかった。 群に関する具体例はほとんどない。2015/06/09
nablaenergy
0
後半の難易度がやばかったがなんとか読了。5章の内容が興味深かった。2011/09/02
LUNE MER
0
群・環・加群についてコンパクトにまとめられている。可解群の説明箇所ではやはりガロア理論の枠組みの中で代数方程式の解法とセットで学ぶべきものなので伏線回収なされない気分。加群の枠組みの中で線型代数学のハイライトであるジョルダン標準形が導かれるところもハイライトのひとつか。ホモロジー代数の頭出しのような話題もあり。回収されない伏線だらけだなww