出版社内容情報
【著者紹介】
日向一雅(ひなた かずまさ)
1942年山梨県生まれ 山梨大学卒業 東京大学大学院人文科学研究科博士課程修得
現在 明治大学文学教授 博士(文学)/専攻 平安朝文学
「源氏物語の準拠と話型」第二回紫式部学術賞受賞!
「源氏物語の中に王朝時代の諸制度が構造化されていることの究明など新しい視点が評価」(2001.5/13京都新聞)
内容説明
本書では主として源氏物語の準拠と話型構造に着目している。準拠の研究史の蓄積に則りつつ、話型構造論を媒介することで、源氏物語の構造的特色の検討とともに、作品論的にどのような達成を示したか、テクスト論的にどのような地平を開いているか、主題論的にどのような展開を見せるか、そうした諸相を見定めた。
目次
序 源氏物語研究の方法と本書の概要
1 王権と家の物語の構造(桐壷帝の物語の方法―源氏物語の準拠をめぐって;桐壷帝と大臣家の物語―準拠と話型構造論の観点から ほか)
2 宿世の物語の構造(光源氏と桐壷院―宿世の物語の構造あるいは「長恨」の主題;柏木物語の方法―光源氏の陰画の物語あるいは宿世の物語の構造 ほか)
3 女君の流離の物語の構造(「帚木」三帖の物語の主題と方法―「雨夜の品定」から流離の物語へ;「雨夜の品定」の諷諭の方法 ほか)
4 平安文学諸論(『伊勢物語』「東下り」をめぐって;『大和物語』「蘆刈」譚論―東アジア古代文学比較論序説 ほか)