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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
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吉田加南子の詩は、言葉の広がりとそこにある何か救いとなるものを教えてくれる…《世界は深さです まだあらわれていない ひかりの》 その空間で生まれてくる詩へのまなざしは、波のように自らをはみ出しながら闇となり光を生む…《見ること 闇が光となるまで》《闇って まだ 生まれてないってこと?》《わたしがうらがえされるとき 光があらわれでるのです》 人と人とのあいだへの真摯な問いかけ…《立っている 記憶をぬいで》《何かとならびあうことはできません 抱きあうことができるだけ》《闇が裂ける 裂けた底であなたと会いたい》2014/01/04
きさらぎ
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再読。中村稔氏によると「思弁的な叙情」である「闇」の一連の言葉たちにも惹かれるが、今回は作者が「未熟」とあとがきで語る初期の詩たちの方を久々に読みたくなって手に取った。「壊れて はじめてわかった いじらしく抱いていた 心とは 壁だったのだ もうひとつの壁を愛そうとしたとき 壁は崩れた」「むなしいだけのことばを弄びながら ふたたび わたしは向きあっている 言葉で問うには 大きすぎるもの しかも 言葉が手繰りよせててしまうものに」言葉を以て根源に挑む前の言葉たちを読むと、今でも身が引き締まる思いがする。2015/03/31