内容説明
研究者・専門家は、未曾有の原発災害を経験し何を考え、どう動いたか。福島大学と東京大学のアカデミズムの内から、学術の社会的責任を問い、原発災害の支援に取り組もうとしてきた知的活動の足跡。
目次
学者の本懐とは―なぜ福島大学原発災害支援フォーラム(FGF)が立ち上がったか
研究者が学術の社会的責任を問い直すとき―FGFとTGFの交流を振り返る
放射能汚染マップが福島の農業を救う
福島原発事故由来の低線量被曝問題にかかわる科学者の倫理
大学教員の社会貢献活動として何ができるか―福島大学放射線副読本研究会
専門知識と事故の状況
大洪水の翌日を生きる
福島県で生活する子育て世帯の現状
「科学的評価」は「正しい」か?
なぜ、サウンドスケープ研究者の私が放射能汚染問題に対して発言を続けるのか
早川由紀夫教授の福島第1原発事故に関するツイッターにおける発言についての考察
うつくしまふくしま未来支援センターの目的と活動―原発なき「ふくしま」をめざして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹薮みさえ
1
昨日仕事や家事の合間に一気に読み進む。悪くない。というかこれは研究論文というよりも、なんというか非常に人間的な読み物だ。だから一気に読めた。なんといろんな文体があることか。なんといろんなアプローチがあることか。もっともっと311語られるべきで、それはわたしたちひとりひとりも同様だ。片端から311をとりあげ、片端から311を考え、片端から311を記録し、片端から・・・そのごく一部がこの一冊だ。読書は自分はどうかと問われる。2013/04/13
morinatsu
0
問いかけと行動というより、戸惑いとか憤怒とか恨み節といったほうが正確なんじゃ…。ある日突然、生活者としての戦いを余儀なくされた研究者達の心の声。2013/03/26