文化精神医学序説―病い・物語・民族誌

文化精神医学序説―病い・物語・民族誌

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  • サイズ A5判/ページ数 250p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784772406796
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C3011

出版社内容情報

《内容》  20世紀後半,近代科学,そして医学は高度に発展を遂げた。しかし,その一方私たちは日常の臨床の場で,治療者と患者や家族間での臨床的リアリティのギャップに愕然とする。しかもそのギャップは深まる一方のように思われる。近代医療が内包するさまざまな問題点を真摯に受け止め,私たちが文化と心のフィールド・ワークの場で培ってきた知識を生かして,次代の医療文化を,そして精神医療を築く一つの歯車を動かす力となることを願って編み上げたのがこの一冊の本である。(本書「あとがき」より)    

《目次》
□主な目次
■序論:江口重幸・下地明友
■第1部 文化精神医学の方法論
1.精神科臨床になぜエスノグラフィーが必要なのか/江口重幸
2.精神科臨床とバフチンの思想――文化精神医学の方法論としての対話的民俗誌の試み――/大月康義
3.臨床誌clinico-graphy試論――普遍-文化結合-個人症候群〈複合〉,臨床のエコロジー,あるいは臨床トポロジー論――/下地明友
■第2部 精神科臨床とフィールドワーク
4.南島巫病論――文化精神医学からみた“神々の病い”――/小林幹穂
5.微小文化の生成と葛藤――精神科急性期臨床の事例から――/松澤和正
6.ススト(驚愕)――中米における自己完結的苦悩の解放システム――/宮西照夫
■第3部 文化精神医学の実践的・理論的展開
7.旅する精神医学とオートポイエーシス――文化の扱いをめぐる第三の選択――/石垣博美
8.想像力と意味――性暴力と心的外傷試論――/宮地尚子
9.文化依存(結合)症候群Culture-bound syndromeの概念――精神医学史と文化精神医学との接点について――/酒井明夫

内容説明

20世紀後半、近代科学、そして医学は高度に発展を遂げた。しかし、その一方私たちは日常の臨床の場で、治療者と患者や家族間での臨床的リアリティのギャップに愕然とする。しかもそのギャップは深まる一方のように思われる。近代医療が内包するさまざまな問題点を真摯に受け止め、私たちが文化と心のフィールド・ワークの場で培ってきた知識を生かして、次代の医療文化を、そして精神医療を築く一つの歯車を動かす力となることを願って編み上げたのがこの一冊の本である。

目次

第1部 文化精神医学の方法論(精神科臨床になぜエスノグラフィーが必要なのか;精神科臨床とバフチンの思想―文化精神医学の方法論としての対話的民族誌のみ;臨床誌clinico‐graphy試論―普遍‐文化結合‐個人症候群「複合」、臨床のエコロジー、あるいは臨床トポロジー論)
第2部 精神科臨床とフィールドワーク(南島巫病論―文化精神医学からみた“神々の病い”;微小文化の生成と葛藤―精神科急性期臨床の事例から;ススト(驚愕)―中米における自己完結的苦悩の解放システム)
第3部 文化精神医学の実践的・理論的展開(旅する精神医学とオートポイエーシス―文化の扱いをめぐる第三の選択;想像力と意味―性暴力と心的外傷試論;文化依存(結合)症候群Culture‐bound syndromeの概念―精神医学史と文化精神医学との接点について)

著者等紹介

下地明友[シモジアキトモ]
熊本大学医学部神経精神医学講座助教授

江口重幸[エグチシゲユキ]
東京武蔵野病院教育研究部長

宮西照夫[ミヤニシテルオ]
和歌山大学保健管理センター助教授

酒井明夫[サカイアキオ]
岩手医科大学神経精神科教授
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