内容説明
著者は子どもたちとの出会いから彼らの出発までを、日常臨床における共有体験として捉え、その中における治療者―患者関係とそれをとりまく大人たちの様子をこまやかな気配りをまじえて描写している。心理面接の基礎となる臨床場面での言語表現、心理療法を学ぶ過程において学会・研究会での事例検討をいかに学ぶか、遊戯療法・描画療法・心理テストなど治療的アプローチの各技法、さらに治療に関わる諸機関の連携、近年関心を集めるインフォームド・コンセント等、長年にわたる経験によって裏打ちされた、「臨床の知」を平易な文章で述べた臨床指導書である。
目次
面接の基礎となること(治療関係における言語表現;プレイセラピストに求められるもの―現実と非現実の中間領域を生きるために;事例研究をどう学ぶか ほか)
多面的アプローチの諸相―事例に即して(遊戯療法の理論と実際;ピノキオから少年へ―臨床ケースにみる心の成長発達;心理臨床におけるシンボル ほか)
児童・青年期臨床と共同体とのかかわり(地域社会におけるネットワーク;外来相談における環境療法的アプローチ;子どもの精神保健にかかわるインフォームド・コンセント ほか)