内容説明
自由民権思想、社会ダーウィニズム、生命主義、マルキシズム…「西洋」という普遍との格闘の中で獲得されていった、日本近代の“主体性”を透視する。
目次
第1章 没落士族のシティズン・シップ―明治初期の政治小説(「保存する個人」と「世界史的個人」;“亡国”という心傷 ほか)
第2章 明治の社会ダーウィニズムと美的生活論争(美的生活論と社会ダーウィニズム;美的生活論とニーチェ ほか)
第3章 一九一〇年代の森鴎外(史実と神話の間―五条秀麿物(一)
ルドルフ・オイケンの受容―五条秀麿物(二) ほか)
第4章 「生命」という陥穽―大正期の与謝野晶子(霊と肉の一致へ;晶子と婦人解放思想 ほか)
第5章 資本主義と自己意識―小林秀雄の私小説批評(“私”の封建的性格;故郷を失った“私”の抽象性 ほか)
著者等紹介
野村幸一郎[ノムラコウイチロウ]
1964年、三重県伊勢市生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。現在、京都橘女子大学文学部助教授
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