内容説明
太平洋戦争を終結させ、日本の運命を決した“最後の戦い”の全貌―米軍総兵力四十五万、たいする日本軍十万、両軍死力の限りをつくした九十日間にわたる未曾有の戦闘を描くノンフィクション。米国陸軍省が攻略戦に参加した記録班や日本側の資料を網羅して構築した“沖縄戦史”の決定版。図版・写真多数収載。
目次
沖縄を確保せよ―アイスバーグ作戦の開始
激化する前哨戦―米軍四十五万の琉球進攻
静かなる上陸―不気味な日本守備軍
敵はどこにいるか―日本軍の持久作戦
血ぬられた丘―北部戦線と伊江島占領
夜襲と白兵戦―中南部の激戦
墓と戦争―首里第一防衛線の崩壊
中南部戦線の死闘―首里第二防衛線の攻防
最後の一兵まで戦え―日本軍の総反攻
血の海―首里攻防戦
雨のなかの激戦―廃墟那覇の占領
ただよう屍臭―首里ついに陥落
炎の河は流れる―日本軍最後の砦・南部戦線
日米最後の戦闘―かくして戦いは終わった
著者等紹介
外間正四郎[ホカマセイシロウ]
昭和2年、沖縄県首里に生まれる。ニューメキシコ大学、コロラド大学にて新聞学を専攻。昭和28年、琉球新報に入社。常務取締役編集局長、同論説員長などをへて、昭和62年、同社退社。INS通信、AP、タイムなどの通信員、琉球大学非常勤講師を勤む。現在沖縄県公文書館嘱託(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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二人娘の父
8
読了…。正直、読み通すのは辛かった。沖縄戦を米陸軍視点から克明に記録した貴重な報告。「ありったけの地獄」と表現したのは米軍であった。日米の戦力・物量の差が大きかっただけに「米軍による一方的な戦い」という印象を持っていたが、米軍側の被害も相当なものだったことが理解できる。それだけに「勝利者・占領者意識」も強く、それが今日までに至る沖縄への米軍駐留の下地になっているのではないか、という印象も受ける。いずれにしても米軍は初めからこの記録を残すためのチームを作り、沖縄作戦に臨んでいるとの記述には驚く2023/09/15