目次
第1章 複素数の生いたち
第2章 コーシー・リーマンの方程式
第3章 複素級数と初等超越関数
第4章 一次変換と不連続群
第5章 複素積分
第6章 正則関数の基本的性質
第7章 ローラン展開と孤立特異点
第8章 留数解析
第9章 調和関数
第10章 解析接続とリーマン面
第11章 等角写像
第12章 二三の話題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
舌噛
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複素積分や留数定理に留まらず、リーマン面、鏡像原理、ディリクレ問題、解析接続、ポアンカレ計量、楕円関数、と様々な話題に触れられている。特に終盤に重要な定理のいくつかの証明が省かれているのは数学の本としてマイナスととられかねないのだが、本書の場合むしろ歯切れ良さにつながっている。各章末の演習問題は内容の理解を助け、参考文献がその分野をもっと勉強したいという意欲を掻き立てる。随所にある歴史的なエピソードをまとめたコラムも楽しい。教科書ではない副読本と割り切って読むならばとても良い本。2020/10/14