内容説明
統一教会の幹部だった著者が、自らの体験と心理学をもとに開発し、実践する「強制を伴わないカウンセリング」による「脱会」の手引き。
目次
第１章 救出カウンセリング―その背景
第２章 統一教会での私の生活
第３章 脅威―今日のマインド・コントロールのカルト
第４章 マインド・コントロールの理解
第５章 カルトの心理
第６章 カルトの評価―いかに自分を守るか
第７章 救出カウンセリング―強制なき自由
第８章 援助の仕方
第９章 カルトのマインド・コントロールを解く
第１０章 回復への方策
第１１章 次のステップ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
17
破壊的カルト教団について、かつて統一教会のリーダー格だった著者自信の経験とマインドコントロールのメカニズム、その脱出方法について書かれているのだが、霊感商法、マルチなど詐欺まがいの団体からの勧誘に我々が騙されないためには予備知識が必要だということだ。非常に学ぶところも多く興味深い内容だった。2012/09/29
tochinoarasi
9
思考・感情・行動・情報をコントロールされ、本来の自分でないカルトの人格を植えこまれるという、マインドコントロールの恐怖。なんでそんなことが？と思うが、特殊環境下（集団で一方的、高速かつ大量の情報投下の反復）に置かれると人間の脳みそは思考停止状態におかれ、普通は受け入れられないようなトンデモ理論を無批判に受け入れてしまう。日本はカルトが信仰の自由の名のもとに放置されているが、対抗するには、疑問をそのままにしないこと、怪しいと感じたモノに対してはいろんな人の意見を参考にすること、だろうと思う。2010/11/27
ゆきのすけ
8
破壊的カルトの怖さがよくわかる本。自分だけは大丈夫、というのがいかにあてにならないかがよくわかる。カルト勧誘者の９割を避けるのに役立つ、という８つの質問は覚える、または書き留めておいて損はない。マインド・コントロール達成には３段階（解凍、変革、再凍結）あり、自分の思考の枠組みを揺さぶる解凍は思っている以上に簡単であることが怖い。君子危うきに近寄らず、というように自分は引っかからないだろうからどんなものかひとつ見に行ってみよう、など好奇心を起こさないのが一番。2011/03/08
山口透析鉄
7
この本は発売当時にすぐ買って読みました。米の統一教会／統一協会にはまってしまった著者が如何にして脱マインドコントロールして脱会したか、事細かく記載されていますね。 浅見氏の翻訳も良いです。 公共の図書館等にはあるでしょうが、なかなか入手しづらいんで、電子書籍で再刊して欲しい1冊ですね。内容はそれだけ普遍性がありますし。 こういう本での学習、本当は必須だと思いますね。ヤスクニカルト的な代物も、いくらでも世の中にありますからね。 宗教教育等も本当は必要でしょうが、今の学校教育では簡単ではないでしょうね……。1993/04/17
CCC
7
まず判断力を奪い、そこに教義を刷り込んで別人格へと生まれ変わらせ、さらにその状態を固定化する。それが解凍、変革、再凍結というプロセスであり、それを物理的な手段を用いずに行う手法がマインドコントロールである。という理解でいいだろうか。おおむね著者の統一教会での経験と、転向後におこなったカウンセリングの話が中心。思ったより包括的じゃなく、基準が統一教会になっているのは気になるが、その分具体的なので説得力はある。2017/02/14
