おしゃべりな腸

エンダース，ジュリア【著】〈Ｅｎｄｅｒｓ，Ｇｉｕｌｉａ〉/岡本 朋子/長谷川 圭【訳】

サンマーク出版（2015/05発売）

• サイズ B6判／ページ数 332p／高さ 19cm
• 商品コード 9784763134431
• NDC分類 493.46
• Cコード C0030

内容説明

繊細で、責任感が強く、有能な器官、それが私たちの腸。アレルギーも体重も気分も、腸と深く関わっています。最新の医学研究結果とその活用法から学ぶ、腸と正しくつきあう方法と健康な生き方へのヒント。

目次

第１章　あなたの知らない腸の魅力（排便ほど複雑で洗練された仕組みはない；「トイレの正しい座り方」を知っていますか？；口は「腸の入口」　ほか）
第２章　腸の働きをつかさどる優雅な制御システム（皿の上のケーキの、体内をめぐる冒険；胃の平滑筋がヘマをすると、胸やけと酸っぱいげっぷが起きる；胸焼けや酸っぱいげっぷを抑える効果的な方法とは　ほか）
第３章　未知と魅惑の微生物の世界（においは微生物の世界からやってくる；細菌は敵か味方か；免疫システムが私たちに提供してくれる素敵なサービス　ほか）

著者等紹介

エンダース，ジュリア［エンダース，ジュリア］ ［Ｅｎｄｅｒｓ，Ｇｉｕｌｉａ］
１９９０年生まれ。博士論文執筆のためフランクフルト微生物学・院内衛生学研究所で研究に従事。ヴィルヘルム・ウント・エルゼ・ヘレウス財団の奨学生として奨学金２種を受け取る。２０１２年にフライブルクとベルリンとカールスルーエで開催された「サイエンス・スラム」で優勝。マンハイムとフランクフルト在住

岡本朋子［オカモトトモコ］
ドイツ語翻訳者、通訳者。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科卒業

長谷川圭［ハセガワケイ］
ドイツ語翻訳者。高知大学独文独語学科卒業後、ドイツのイエナ大学で独語・英語言語学および独語教授法で修士号取得（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[yamaneko*]

ドイツ人の研究者によって書かれた腸の本。独特な表現がユニークで面白いです。その人独自の腸内細菌が完成するのは３年がかり。お腹の調子と気分は連動していて、感情は「腸脳力」が司っている。普段は知覚できない体内の世界をのぞき見た気がします。

2015/08/06

[こなつ]

風邪をひいたときなどに処方される抗生物質が、腸内の細菌を殺してしまい耐性菌が残ってしまうということ。畜産肉を食べると耐性菌も一緒に体内に入れてしまうこと。家畜の糞を肥料にしている野菜も同じく耐性菌が残っているのでよく洗うこと。プロバイオティクスとプレバイオティクスの関係。腸内の細菌の環境ってどれだけ大事なのかとても分かりやすく語り口も馴染みやすく面白かった。電車内で読んでいて、帰宅前にこってりラーメン食べて帰ろうかと思ってたけど真っ直ぐ帰宅して野菜や果物買って帰ろうかと思えてきた(^^)

2018/03/31

[金平糖]

帝王切開で生まれ粉ミルクで育った著者は17歳で原因不明の皮膚病に悩まされ腸に問題があると考え研究の道に。帝王切開だった第一子が便秘症でアトピーだった理由がわかった。産道や膣内の菌に触れていないので自力で腸内細菌を集める必要がある。清潔に徹したのも細菌を遠ざける結果に。7歳になると自然分娩の子と腸内フローラの違いがほぼ見られなくなるというから安堵。腸内には2kgの細菌が住んでいて、住む場所と食べ物を提供したお礼に消化の手伝いをしてくれたり栄養補給してくれたりするらしい。腸内環境を整える事を心掛けたい。

2015/09/15

[岡本正行]

腸、人間にとって内臓、特に、腸は、なんのためにあるのか、栄養を補給し消化して蓄積する働き、大事な内臓であるけれども、手術で切り取っても、なんとかなるという知識などもあった。多くの医学、生物学から腸は、大事な臓器であるとの評価である。NHKで、腸をはじめとする内臓臓器の機能を重要視する番組が報道されていた。胃や腸、単に消化して排便する、単なる過程ではなく、それ自体が人間の生命体の維持と発展に貢献しているものであることを痛感した。しかし、この腸に、多くの細菌、バクテリア、ウィルスなどいることに改めて驚いた。

2022/02/20

[りょうみや]

口から入って出てくるまでの消化器系と腸内細菌全般、そしてタイトルの通り腸は脳と並んで無意識的に考えている臓器ということを科学的に噛み砕いて解説。可愛らしい挿絵が豊富でわかりやすい。健康に役立つことも多く書かれていて、腸内細菌が喜ぶ生活習慣にしなくてはいう気にさせてくれる。この分野のことを一通り網羅しているように見えるし、まだ分かっていないことが多いということも分かる。

2023/04/27