内容説明
「戦艦大和」には、3000人を超える乗組員が搭乗していた。多くが10代、20代の若者であった。愛する人を家族を祖国を守るために、彼らは、海に散った…。今、日本人が語り伝えなければならない、愛と涙の物語。
著者等紹介
辺見じゅん[ヘンミジュン]
富山県に生まれる。早稲田大学文学部卒業。編集者を経て現在、作家・歌人として活躍中。『男たちの大和』で第3回新田次郎文学賞、歌集『闇の祝祭』で第12回現代短歌女流賞、『収容所から来た遺書』で第11回講談社ノンフィクション賞・第21回大宅壮一ノンフィクション賞、『夢、未だ盡きず』で第9回ミズノスポーツライター賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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糜竺(びじく)
39
私自身、今まで観た日本映画の中でもかなり良かった、感動した映画で、2005年に上映された「男たちの大和」のノベライズ小説です。映画で観たときの情景も浮かんできましたし、映像を観るだけでは気付かなかった点、知らなかった点を、このノベライズ小説を通して知ることが出来ました。1945年に東シナ海に沈没し3333名が亡くなった、世界最強最大とまで言われた戦艦大和ですが、なぜ、このような悲劇へと向かってしまったのか、また、名も無き海兵達の色んな想いも、読む事により色々知る事が出来て、感慨深いものを感じました。2018/03/07
おぎにゃん
5
友が、慕い続けた上官たちが呆気なく死んでいく戦争の残酷さ。そんな戦艦大和最期の闘いから生き残った者を待ち受けていたのは…さらにつらい現実だった…「生きるほうも、死ぬほうも、同じ苦しみの中にいる。だが未来はおれたちの、この苦しみの頂上に輝いているのだ」…彼らの命を賭けた思いを、私達は受け継いでいると言えるのだろうか?語り継ぐことの大切さが心に染みました。2013/11/17
mari
2
ようやく読めました。菊花の紋章を首艦に黄金に輝かせた鋼鉄の巨艦大和。14歳〜の少年兵達は城塞の大和を見て歓喜にわいた。そんな少年達を含む乗員3000余名とともに大和は昭和20年4月7日2時23分北緯30度3分東経128度4分散った。生存者わずか260名。一口に何千人亡くなったというけれど、当然一人一人に大切な日々があった。その日々の大切さに思いを馳せると、涙がこぼれる。過去の人々、先祖の屍の上に私達が生かされている。嫌な事辛い事しんどい事も生きていればこそ。大和の乗組員が最後に残った仲間に残した言葉は『生2010/10/21
ゆきおんな
1
戦争で命の危険に晒されない今の日本にいると、戦争が「過去の出来事」という認識になりがちである。この本を読んでそれがその認識が正された。戦闘シーンでは当時の戦闘の凄惨さがまるでそこにいるかのように伝わり自分がいかに恵まれているかを再認識した。また、日本の未来のために自らを犠牲にして戦った先人たちに恥じない生き方ができているか考えるきっかけになった。2017/08/27
りん
1
泣きすぎて、悲しすぎて、もう意味わかんなくなる。 フィクションじゃない。こういう歴史があったことを知らなくてはいけない。 絶対読んだ方がいい。2012/09/27