ハルキ文庫
遺書

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784758431064
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

“僕は、身体とそれに伴う精神の死について、いちばん好きな言葉があります。高村光太郎の詩の中の「死ねば死にきり 自然は水際立っている」という言葉です。(中略)僕は、人間の身心の死はこれでいいのではないかと思います”と語る著者が、「死」「国家」「教育」「家族」「文学」について、そして自らの人生を回想して根源的に考察する魂の一書。

目次

死について(「死」をどうとらえるか;「死」を定義できるか)
国家について
教育について
家族について
文学について
わが回想(「死」から「生」へ;「六〇年安保」から「現在」まで)
最後に

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年、東京に生まれる。東京工業大学電気化学科卒業。52年、詩集『固有時との対話』(私家版)を刊行して執筆活動に入る。以後、戦後思想界に多大な影響を与える評論活動を展開
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hanchyan@自己ベスト更新

35
本屋さんに探してた著作が無かったのでこちらを。なんだかやたらサクサク読める(笑) おかしいなあ。こんなはずでは(笑) 2018/08/14

ダイキ

3
「僕がゾーッとするのは個人の野球選手の脱税まで摘発し、不法行為として逮捕する官憲と、それを賞賛する世論をつくり上げようとする報道機関の頽廃のほうです。それが正義のようにまかり通っていますが、こんな正義は自分を棚上げすることで過酷な嘘にたどりつく近代主義的な頽廃の極致です。責める側は、自分を棚上げにして悪いことは何もしていないかのようにいう。責められるほうは土下座して詫びかねない。それが不気味な構図だとわからなかったらおしまいです」2017/01/25

N.river

2
死に関する考察は、それまで取り上げられ来た視点を180度、転換させており、さすが! と唸らされる。ご健在ならどういった結論をだされているだろうか。残念に思えてならない。2014/06/09

武智一雄

0
「人間の生活には幸福な生涯も不幸な生涯も無いものでしょう。ままならない時間が過ぎていく中で、或る日、天空を仰いで眼を細めて安堵する瞬間があったら、そのときが幸福ではないのかな。」自論ではふと自分の足元を見ると、ああ、ここが幸せなんだなと感じるものと思っていたが、天空にもあるとなるとそれは至る所に存在するということ。氏の著作の中ではストンと読める方だが、やはり時代間と時代感のズレは否めない。しかし、エッセンスを発掘する視点と手法は流石だなぁと感心する。昨今は原発推進派と言われたりもしたが、全然違うと思う。2012/03/14

ピラックマ

0
死、国家、教育、家族、文学、そして回想と各テーマに解り易い言葉で直裁に真摯に語る姿勢に感服する。とにかくこの一言に痺れた==>「人間の生活には幸福な生涯も不幸な生涯も無いものでしょう。ままならない時間が過ぎていく中で、或る日、天空を仰いで眼を細めて安堵する瞬間があったら、そのときが幸福ではないのかな。」2010/09/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/606681
  • ご注意事項