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内容説明
江戸浮世絵だけが、日本の浮世絵ではない。近世寛政期以来、上方で庶民に親しまれ、写楽にも影響を与えたといわれる、豊饒な上方浮世絵の世界があった。しかし残念ながら、その世界は省みられることなく今日に至り、我が国よりはむしろ海外での評価が高かった。本書は、その埋もれていた上方浮世絵を掘り起こし、長年にわたり調査研究を行って来た一研究者の真摯な探究書である。父子相伝として唯一、五代続く長谷川小信とのインタビューを巻頭に掲げた。
目次
長谷川貞信をめぐって―四代目貞信夫人と五代目小信に聞く
上方浮世絵のながれ
流光斎如圭―上方浮世絵の始まり
璃寛と芝翫―芝居を支えるスターたち
天保改革と上方浮世絵
猿雀という絵師
十代のスター中村玉七
合羽摺りについて
コレクション
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
0
江戸時代の地方出版? 上方浮世絵の概説書であります。浮世絵人気の一方で、認知されることのない上方絵の世界。絵師たちといい、歌舞伎役者たちといい、入門書としてはお堅い考証が続いて、全体に初心者には難しい内容。どちらかといえば上方風の役者似顔絵や、改革逃れの手口の数々など、絵そのものの話題の方が楽しめました。巻頭は平成まで続く長谷川貞信家のインタビュー。昭和の浮世絵師の活動はとても興味深いんですが、予備知識のない読者には何が何だかさっぱり。そして、日本よりも外国で関心が高いことにもびっくり。星4つ。2017/03/08