美学とジェンダー―女性の旅行記と美の言説

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美学とジェンダー―女性の旅行記と美の言説

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  • サイズ A5判/ページ数 454p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784756604842
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C0098

出版社内容情報

 一八世紀から一九世紀初頭にかけてのイギリスでは、風景への関心や異世界の発見とともに「旅行記」が流行した。ちょうどその時期は、大英帝国の拡張期であり、また近代美学の形成期でもあった。本書は、とくに女性の旅行記に焦点を当てて、市民社会の「外部」(異国、野生の自然、未開人、労働者等)へのまなざしが、近代的な「感性」や国家意識を形成する上でどのような役割を果たしたのかを、ジェンダー的な観点から明らかにしようとする。
 モンタギュ夫人からメアリー・シェリーにいたる女性作家の手紙や報告は、トルコ、西インド諸島、革命期のフランス、北欧、スコットランド等について生き生きと語っているが、そこには崇高、ピクチャレスク、ゴシック趣味、いわゆるオリエンタリズムの言説が散乱している。しかし彼女らは、自らの「眺める主体」(「美的主体」)という立場に何か居心地の悪さを感じてもいた。女性自身が、「美的対象」として眺められる側に位置づけられていたからである。彼女らの感じとったこの違和感は、当時の美学の根本原理「無関心性」に対する疑義へと生成し、近代美学を支えていた政治的・社会的論理が、階級・人種・ジェンダーという複合的な視点から浮き彫りに

序 章
第一章 美学とオリエンタリズム――メアリー・ワートリー・モンタギュのトルコからの手紙
第二章 コロニアリズムの美学――ジャネット・ショウの西インド諸島旅行記
第三章 風景美学――女性的ピクチャレスクのパラドックス
第四章 革命の風景――ヘレン・マライア・ウィリアムズの『フランス便り』
第五章 反美学――メアリー・ウルストンクラフトの北欧旅行記
第六章 景観旅行の文化政治学――ドロシー・ワーズワスのスコットランド旅日記
第七章 ピクチャレスクと女性的崇高――アン・ラドクリフ『ユードルフォ城の謎』
第八章 美学、ジェンダー、帝国――メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』
原 註
参考文献
「反‐美学」あるいは「美学の反‐伝統」の誕生
人名/作品名 索引

内容説明

オリエンタリズム、ピクチャレスク、崇高美を縦糸に、階級、人種、ジェンダーを横糸に、女性の言説/表象が織り紡ぐ美学的光景が、トルコ、西インド諸島、ピクチャレスク庭園、革命期のパリ、北欧、スコットランドを舞台に、“近代‐美学”を形成する政治的、社会的論理を浮き彫りにする。

目次

第1章 美学とオリエンタリズム―メアリー・ワートリー・モンタギュのトルコからの手紙
第2章 コロニアリズムの美学―ジャネット・ショウの西インド諸島旅行記
第3章 風景美学と女性的ピクチャレスクのパラドックス
第4章 革命の風景―ヘレン・マライア・ウィリアムズの『フランス便り』
第5章 反‐美学―メアリー・ウルストンクラフトの北欧旅行記
第6章 景観旅行の文化政治学―ドロシー・ワーズワスのスコットランド旅日記
第7章 ピクチャレスクと女性的崇高―アン・ラドクリフ『ユードルフォ城の謎』
第8章 美学、ジェンダー、帝国―メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』

著者等紹介

長野順子[ナガノジュンコ]
神戸大学文学部教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

志村真幸

1
 18世紀のイギリスではピクチャレスという美的概念が広がり、多数の旅行記が出版された。本書は、そうした「美学」が実は男性中心であったことを指摘し、それに対して女性著述家による旅行記+小説を分析することで、ほころびや限界を示そうとしたもの。  この時代の美学の男性性を突き、アンチテーゼとして女性の書いたものを読みこんでいくというアイデアは鋭い。ただ、それが充分に練り上げられ分析され説得力ある主張となっているかというと、かなり怪しい。読んでいて、もうひとつ著者の言わんとすることが伝わってこない印象がある。 2022/06/09

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