内容説明
精神科における薬物療法の進歩により、今や、精神疾患で長期療養したことのある多数の社員が、健康管理を受けながら働いている。職場はそのような人たちを受け入れ、集団のなかで労働をさせながら、その健康を守る義務が生じてきた。この精神保健活動を適切に遂行するためには、患者と職場の管理職(直属上司)と精神保健担当者(健康管理医)の共同の働きが必要だ。しかし、精神的病気の人をどのように扱えばよいのかについては、知識も訓練も不足し、実際には戸惑っているのが現状である。本書は、このような職場の状況の要請に応えたもので、同じ目的で12年間にわたって管理職の方に繰り返し話してきたメンタルヘルスについての講演を、まとめて加筆したものである。
目次
第1部 働く患者とその処遇(企業の精神保健;精神科であつかう疾病;職場の短期要健康管理者―うつ病者を中心に;職場の長期要健康管理者―分裂病者を中心に)
第2部 企業と個人のメンタルヘルス(ストレスとその対策;病気と性格;自殺について)