出版社内容情報
石橋湛山は単なる政治家ではない。理想主義的言論人、先駆的思想家であった。戦後史上における彼の功績は、「小日本主義」による経済再建と、冷戦の解消・東西和合をめざす『日中米ソ平和同盟」の構想にある。本書は彼の戦後の歩み、晩年に焦点をあてる力作である。
内容説明
本書は、戦後における石橋湛山の思想的価値の究明を目的とするもので、二〇〇三年に完成した戦後湛山の第一構想―小日本主義的戦後復興構想―の研究(1)に続く、その第二構想―「日中米ソ平和同盟」―に焦点を当てるものである。時期的には首相になるまでの前者に続き、一九五七年首相引退後から亡くなるまでの、石橋湛山の晩年にあたる。
目次
第1章 「日中米ソ平和同盟」構想の萌芽―石橋湛山の第一次訪中
第2章 「日中米ソ平和同盟」構想の形成:第3章 「日中米ソ平和同盟」の推進活動
第4章 石橋湛山の第二次訪中
第5章 フルシチョフ後のソ連
第6章 湛山晩年の言論と思想
終章 理想主義への転回
付録 私の湛山研究への道―一外国人研究者の目から見た日本の近代化
著者等紹介
姜克實[ジャンクウシー]
1953年、中国天津市生まれ。現岡山大学教授。日本近代史専攻。文化大革命の動乱を経て1982年、南開大学卒業。復旦大学大学院を経て1983年、国費留学生として来日、1991年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程を修了(文学博士)。早稲田大学助手、岡山大学助教授を経て現職。著書に、『石橋湛山の思想史的研究』(早稲田大学出版部、1992年、第14回石橋湛山賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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