ドメスティック・バイオレンス女性150人の証言―痛み・葛藤そして自由へ

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  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750316659
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

出版社内容情報

2001年マスコミ等でドメスティック・バイオレンスの体験記を一般公募し、約150の原稿を収録した当事者による初の体験集。当事者にしか知りえないDVの実態、影響、支援体制の不備を浮きぼりにし、DV法の解説もまとめ、DVを知る貴重な一冊。

  DV撲滅に向けて――読者のみなさんへ[加藤洋子]
  沈黙の壁をつきやぶって――まえがきにかえて[森望]
  プロローグ

第1章 暴力をふるう男たち
  落差の大きさ/豹変する/どちらが本当か?/権威と服従
第2章 脅しと抑圧――暴力の実態
  力を奪う言葉/理由のない暴力/生きぬいて/
  父親や家族などからの暴力・虐待
第3章 暴力の構造
  所有としてのセックス/妊娠と暴力/経済的な締めつけ/
  「家」という制度・「家族」という規範/飲酒と暴力/くりかえされる暴力
第4章 暴力の影響
  身体や心への影響/恐怖/自信を奪われる
第5章 子どもへの影響
  緊張を強いられる暮らし/暴力を目撃することによって/
  子どもたちの心の傷/性的虐待/別れを決断する/子どもたちの声
第6章 家を出たいけれど……
  戸惑い・揺れる心/経済的な不安/出られない理由/決断
第7章 何を頼ればいいのか
  暴力を助長する周囲の対応/「嫁」の立場を強いられて/一番頼りにしたいのに/
  警察は頼りになるのか/司法(裁判所・弁護士など)はわかってくれるか/
  さまざまな相談機関

……この本は、孤立のなかで生き抜いてきた一五〇人近い女性や子どもたちの心の叫びです。「沈黙」を強いる加害者。被害者の話を信じてくれなかったり、被害者が語れない状況を作っている社会全体が強いる「沈黙」。被害者の苦しみ、辛さ、悔しさは「沈黙」の壁を突き破って今大きな流れになろうとしています。
 この本を読み通すことは辛く、しんどいことです。でもこれがDVの現実です。目を背けないでください。女性たちは過酷な暴力のもとで自分自身と子どもを守り、生き抜いている「強さ」と「知恵」と「勇気」と辛さを突き抜けた「明るさ」も同時にもっています。
 DVの被害を受けたことは辛く、苦しく、悲しく、淋しく、心の癒しには長い時間が必要かもしれません。そしてその被害を経験したがゆえに、明日を信じ自分を信じ、自分を大切にして、希望をもち続けていけるあなた自身の力強さも発見するでしょう。
 この本が、今も沈黙の壁に阻まれている多くのDV被害を受けている女性や子どもたちの心に届くことを願っています。そして、いつかあなたとめぐり会える日が来ることを信じて。

“まえがきにかえて”森 望

内容説明

外から見えない密室で今日も繰り返される暴力の数々。殴られ、蹴られ、ののしられ、こころも体もズタズタにされながら、それでも生きぬいてきた女たち。日本で初めて当事者の女性たちがいま告白する。

目次

第1章 暴力をふるう男たち
第2章 脅しと抑圧―暴力の実態
第3章 暴力の構造
第4章 暴力の影響
第5章 子どもへの影響
第6章 家を出たいけれど
第7章 何を頼ればいいのか
第8章 国際結婚・離婚の場合
第9章 いま、渦中にいるあなたへ

著者等紹介

原田恵理子[ハラダエリコ]
婦人相談員。全国婦人相談員連絡協議会会長。DVサポートセンター共同代表。和光大学非常勤講師。1992年、「夫(恋人)からの暴力調査研究会」メンバーとして、日本で初めての「夫・恋人からの暴力全国調査」に取り組む

柴田弘子[シバタヒロコ]
フリーライター、翻訳家。DV被害者の自助グループ「虹の会」発起人。医療生協の情報誌com comに「子育てエッセイ」連載中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。