内容説明
自由で民主的な政治体制を擁護し、人間の身体と心のありように深い理解を示したスピノザ。その思索の源泉を求めて、主著『エティカ』を読む。
目次
第1章 神すなわち自然
第2章 心の本性と起源
第3章 情動の起源と本性
第4章 人間の隷従
第5章 人間の自由
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羽生沢
2
スピノザの汎神論や、リベラル・デモクラシーとの関係を解説した本。近代政治学の父・ホッブズとは異なった政治学の方向を模索する上で、スピノザの思想は検討に値するかもしれない。2014/12/11
左手爆弾
1
『エチカ』こそがスピノザの政治哲学なのだという読みによって書かれている本。なんと315ページの本書で、『エチカ』の第1部から5部までを通読している。しかも、ネグリだ、バリバールだ、ドゥルーズだという先行研究には触れない。政治という割には、政治って一体なんのことなのかわからない。最後の方に、急に「『エチカ』の意図は啓蒙である」と言う。その結論自体はわからなくもないが、そこに至るまでの論証が研究書としては不十分すぎる。個別の問題(自己保存とか)についての読みも、妥当かもしれないが普通すぎて参考にならない。2013/06/18