感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
8
論文は「自分でも禁欲的と思えるほど、意識的に史料に見えること以外のことを叙述することを避けた」が、随筆はそこから解放されて、歴史についての思索記すと著者は言ふ。さりながら、まとめてみると「史料歴史学の『陥穽』の指摘」を一貫してテーマにしてゐたことに気付いた」のださうだ。刊本の翻刻ミスによる誤解、偽文書の判別方法、鎌倉期の熟語の音読と用語など、何れも原史料の確認を積み重ねてきた著者ならではの示唆に富む見解が披瀝される。随筆と言つてはゐるが、昨今では十分に学術書として通用することは言ふまでもない。2021/11/25
吃逆堂
1
歴史学者による非論文の文集。とのことだが、普通に論文級のものがごろごろ。趣味と仕事のバランスの問題なのだろう。2010/02/24