歴史文化ライブラリー
昭和天皇 側近たちの戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642056960
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0320

内容説明

戦前日本、天皇を支えた宮内大臣・内大臣・侍従長ら側近たち。彼らは戦争への道を突き進む激動の昭和にいかなる政治的影響力を持っていたのか。牧野伸顕・木戸幸一ら昭和天皇の側近たちの視点から近代日本の軌跡を描く。

目次

昭和天皇側近たちの歴史認識―プロローグ
明治憲法体制と天皇側近(明治期から大正期における天皇側近;牧野グループの形成 ほか)
満州事変と側近たちの動揺(満州事変と天皇・天皇側近の動揺;犬養内閣と牧野グループの天皇親政運動 ほか)
二・二六事件と側近の一新(牧野内大臣の辞任;二・二六事件の影響 ほか)
日中戦争下の側近と軍部への接近(湯浅内大臣時代の側近体制;日中戦争の勃発 ほか)
アジア太平洋戦争期における天皇側近(東条内閣成立から太平洋戦争へ;東条内閣打倒工作 ほか)
新憲法制定と象徴天皇制―エピローグ

著者等紹介

茶谷誠一[チャダニセイイチ]
1971年、石川県に生まれる。1995年、明治大学文学部史学地理学科卒業。2006年、立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了、文学博士(立教大学)。現在、成蹊大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ジュンジュン

10
一つの政治集団としての側近グループは、大正デモクラシー期に牧野伸顕のもと、内大臣、宮相、侍従長の”三位一体”体制として形成された。彼らは戦争の昭和とどう向き合ったのか?二二六事件以後の湯浅倉平、戦中の木戸幸一を中心に、側近集団の変容と影響力を考察する。「天皇の無答責」を共通認識としながらも、決して一枚岩ではなく、人により時期によりその様相は違ってくる。戦前昭和を理解するには政府や軍部だけでは十分ではない。宮中の視点も必要なのだろう。2022/09/18

省事

2
最終決定権を持つ天皇の助言者たちの変遷を描いた通史。 牧野内府時代の内府・宮内相・侍従長のネットワーク、湯浅内府時代の不協和音、木戸内府時代の木戸個人に依存する政治的統合の移り変わり、更にその外部にある元老西園寺や、重臣たちとの関係の有り様、更に彼らが親裁の意志を示す昭和天皇と、帝国憲法における規定に対してどう向き合ったか、政治権力の動態に焦点を当てた叙述はとにかく読みやすく、政治史叙述の中心である外部(内閣や軍部、政党など)から宮中がどう見えていたかを考える意味でも示唆に富む。2017/08/15

nagoyan

2
優。西園寺元老は天皇側近の政治関与は立憲君主制を危うくすると考え、牧野内府は英米との国際協調を天皇・側近の力で守ろうとし、対立・競合する。軍右翼の批判を受け西園寺に見捨てられる形で牧野が力を失うと、木戸が台頭する。木戸は、積極的に軍と同様の冒険主義的な外交政策にのめりこむ。また、木戸は天皇の政治的助言者を自分一人にし、牧野時代のような侍従長、宮内大臣の政治的側近としての役割を認めなかった。木戸を戦争末期には皇族や重臣も疎んじはじめたが、木戸は、東條、陸軍をみかぎって終戦にこぎつけることでその地位を守った。2010/12/21

あまたあるほし

2
侍従や内大臣など天皇の側近から見た昭和史。簡潔にまとまり良いが一点間違いが。引用資料の「小倉庫次侍従日記」は「中央公論」掲載ではなく「文藝春秋」掲載です。2010/04/21

でん

1
いっしょくたに語られがちな天皇側近について詳細に描いた一冊。牧野グループ、西園寺、湯浅グループ、木戸と側近たちの様々な意図が交錯する様が非常に興味深かった。2013/12/14

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