内容説明
平安中期の官僚。海賊鎮圧のために伊予に派遣されたが、関東の平将門の反乱と時を経ずして、瀬戸内で反乱を起こす。純友が傍流ながら摂関家につながる中央官人であったという説に立ち、承平・天慶の乱を読み直す。彼がなぜ海賊集団を組織し、反逆者となったのか。10世紀の東アジアと瀬戸内交易との関係、古代の海賊の分析を交えて、生涯を描く。
目次
第1 藤原純友の出自
第2 海賊の登場
第3 国内政治と対外関係
第4 祖父遠経・父良範と前期摂関政治
第5 十世紀前半の東アジア情勢と瀬戸内海交易
第6 純友、伊予へ向かう―承平六年
第7 須岐駅の襲撃―天慶二年
第8 純友、諸国を襲う―天慶三年
第9 純友の最期―天慶四年
第10 純友伝承について