人物叢書 新装版<br> 山路愛山

人物叢書 新装版
山路愛山

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784642051569
  • NDC分類 289

内容説明

明治大正期の卓越した史論家であり、独自の政治思想家であった愛山の初の本格的伝記。旧幕出身者としての「敗者の運命」を克服すべく奮闘した青少年期から、『独立評論』で活躍する壮年期、さらには、精力的に歴史叙述に取組んだ晩年に至るまで、近代日本をひたむきに生きたその思索の跡を活写。北村透谷との論争の意義にも新たな光を投じる。

目次

第1 江戸から静岡へ(天文方の子;敗者の運命;自助と独学;同情と朋友;キリスト教と道徳)
第2 信仰と史学と(「荒村破駅」での思索;『護教』の主筆として;民友社に入る;透谷との論争)
第3 『信濃毎日新聞』主筆(信州に赴く;「学校壁外の青年」;国際緊張の高まるなかで)
第4 『独立評論』の時代(『独立評論』の刊行;「帝国主義」の主張;「国家社会主義」の構想;国家、個人、共同生活体;堺利彦との論戦)
第5 晩年の思想と活動(閉塞と革新;日常の愛山;歴史と英雄と人民と;その最期)
山路愛山略系図
略年譜
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

politics

3
明治・大正期に活躍した山路愛山の評伝。友人でありライバル関係でもあった北村透谷や堺利彦との論争、キリスト教との出会い、徳富蘇峰との交友などから、山路の思想が形成されていたことが分かる。また山路の来歴を辿る中で、その経済への眼差しや歴史認識、日本史への味方など、著者坂本氏が後に取り組むことになるテーマについて言及されているのが目に付く。2022/01/28

バルジ

1
再読。山路愛山の複雑な思想遍歴をその内奥に迫り著述した名著。殊に愛山の史論を語るその口ぶりは後年教科書問題での著者の活躍を彷彿とさせる。まるで愛山に著者が仮託して語らせている趣すらある。 愛山の言う「史学」とは緻密な史料読解と解釈から論を組み立てるものではなく、現在の人々の活力となるような過去を「抽出」し叙述することで読者を鼓舞させる意味での歴史の活用である。愛山はいわば敗者の子として独立自活を重視する。その中で自らの支えとなるのは古今の英雄を蘇らせ自身を鼓舞することにあった。民間史学者の面目躍如である。2024/01/07

バルジ

0
学問的にはやや古くなっているかもしれないが人物論として非常に引き込まれた。 エマソンの著書を愛読し官学アカデミズムの権威に屈せず、「平民」の経験を学問以上に肯定するその姿は本来的な意味での”反知性主義”を思わせる。2017/03/19

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