内容説明
戦国時代の100年間、北陸越前に君臨した朝倉氏が、信長の天下統一の中で滅亡していく様を明らかにする。関係史料を博捜し、義景の領国統治・信長との戦い、外交等の史実を探り、かつその人間性や教養をも究め、発掘調査による新知見を加えて描く。従来知られなかった一戦国大名の生涯を、総体的に把握した義景の本格的な伝記。
目次
第1 朝倉氏の祖先
第2 朝倉孝景の台頭
第3 義景に至る3代の治績
第4 義景
第5 朝倉氏の領国支配
第6 滅亡の理由
第7 栄華の跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
織田信長の敵役でありながら、好機を生かせなかったため優柔不断の印象が強い朝倉義景ですが、この本を読んでもイメージは変わらなかったです。朝倉氏の勃興や領国支配の部分は面白かったです。2023/04/04
y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)
5
義満がなかったから義景。朝倉氏はあまり知らなかったから勉強になった。朝倉氏の家系も複雑だな。2019/08/24
フランソワーズ
2
数多くいた信長に抗った武将。中でも二度も討てる好機に恵まれながらも、活かすことができずに滅ぼされた朝倉義景の評伝。朝倉氏祖から興隆の孝景(英林)、義景に至るまでの同氏と世の流れを追い、義景本人の半生に。そこから分かることは、朝倉義景滅亡の原因を個人の資質にばかりに求めるのは一知半解であるということ。当然積まれてきた、義景以前の同氏の歴史、それに地政といったものが時勢と絡み合ったとき、負の要因になると(ある意味でこれは戦国武将全てに当てはまるけど)。とても古い本だけど、義景評伝としてはまだまだ有効でしょう。2020/07/24
MUNEKAZ
1
義景のみならず他の一族についても多く書かれている評伝。義景本人の能力や資質もさることながら、根深い一族間の不和や寝返りの多さが信長との戦いを不利にしていった理由のように思えた。また後背に一向一揆に支配された加賀という地帯を抱えていたことも、積極的な軍事行動がとれなかった一因だと思う。2016/01/09