出版社内容情報
法律の分野で性の問題がきちんと論じられる契機のひとつとなった前著『性の法律学』。
その後もセクシュアル・ハラスメント裁判等で女性の立場に立ち,性暴力と戦い続けて
いる著者が再び「性」を切り口に日本の法制度の見直しに挑戦する。この10年何が変わったか?
「セクシュアル・ハラスメント」が流行語大賞に輝いたのは,10年あまり前のことである。
21世紀を迎えたいま,「ドメスティック・バイオレンス」「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント」
「性同一性障害」など,性にかかわる新しい言葉が次々と市民権を得ている。しかし,基本的人権の基礎となる
「性の自由」や「性の自立」はどこまで実現できているだろうか。著者の問題意識はますます先鋭にならざるを
えないが,語り口はいたってやさしくわかりやすい。
内容説明
本書では、この間に日本の女性が中心になって作り出してきた社会の変化を踏まえて、法律の分野に的を絞って、性差別と暴力との結びつきを解き明かすとともに、性差別と暴力のない社会への道を探った。
目次
1 性的マイノリティの権利
2 結婚制度とドメスティック・バイオレンス
3 セクシュアル・ハラスメント―10年の軌跡
4 買売春を考える
5 ポルノグラフィと女性の人権
6 性暴力の根絶をめざして
著者等紹介
角田由紀子[ツノダユキコ]
1942年生まれ。1967年東京大学文学部卒業。1975年弁護士登録。1986年より東京・強姦救援センターの法律アドバイザー。主著に「性の法律学」(有斐閣・91年)、「女性・暴力・人権」(共著・学陽書房・94年)、「ドメスティック・バイオレンス」(共著・有斐閣・98年)など
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