内容説明
本書は、乳幼児期のきょうだい・仲間関係を発達心理学の視点からとらえ、新領域に一歩立ち入った研究成果をもとに、4つの部門にわけてまとめている。第1部のきょうだい関係と第2部の仲間関係では、乳幼児の社会的世界の実情とそこで起こる発達を、それに続く第3部では、それらの相互作用を通して形成される養護性の発達を、そして第4部では、それまで述べてきた社会的関係の発達と切り離せない関係にある子どもの「自己」の問題を扱っている。これらは、従来の発達心理学の研究でとりあげられることの少なかった問題に焦点をあてている。
目次
序章 乳幼児の社会的世界と発達
第1部 きょうだいと育つ(1歳児が見た「きょうだいと母」;きょうだい関係の展開;4つ子のきょうだい関係)
第2部 なかまと育つ(保育所の仲間とのやりとり―0~2歳児;ごっこ遊びの世界―4~6歳児;異文化の中での3歳児;アメリカの子どもが日本の幼稚園に)
第3部 慈しみ育てる心(子どもの養護性の発達;養護性の発達とその意味)
第4部 「自分」への問い(〔私〕へのめざめ―1歳児の心理;自己発達とその役割;自己―他者の関係の理解)
終章 明らかにされたことと残された課題