内容説明
この本が生まれるきっかけの1つは,執筆者である私たちが2人とも昭和1ケタ生まれの世代に属し,昭和という時代の大部分を文字どおり「身をもって」体験してきたということでした。元号によって歴史を区切る必然性はありませんが,自分自身の生きてきた時代をふりかえってみると,「昭和史」をある1つのイメージをもってとらえることができるように思われます。それは,戦争と平和,進歩と反動がないまぜになりながら,女性がいやおうなしに社会とかかわりをもっていった時代だということです。…戦争は,いきなりみなごろしの戦火とともにやってくるものではなく,しあわせにみえる日々の生活のなかに,人々の感覚を麻痺させながらしのびこむようにやってくる―これが,昭和時代を生きてきた私たちの感想です。現代の私たちが,ふたたびその「しかけ」にのせられていくのか,それとも,こんどこそ真実をしっかりと見きわめ,平和な明日のために女性の力を発揮していくのか,ということがいま問われているのではないでしょか。(「あとがき」より)。
目次
1章 昭和の幕があがる
2章 軍国主義の魔手が
3章 総動員体制へ
4章 戦時下を生きる
5章 戦後民主主義の朝明け
6章 平和と子どもと連帯と
7章 「豊かさ」の幻想の中で
8章 いま、女の時代に