内容説明
いまや「市場」が人間社会にとって効率的な機構であることに異論を差し挾む人はいない。しかし、市場はいかなる状況、条件下でも好ましい解決策に導くか。政府や企業と市場との間にはどこに境界が引かれ、どのように調和されるべきなのか。また、市場における人間の合理的行動とはいかなるものか。そもそも市場とはいったい何なのかについて、新しい視点からの展望を切り開く試み。
目次
第1章 「市場」と「市場化」―日本の経験から
第2章 資本主義企業と私的所有権
第3章 情報処理ルールが切り開くニュー・パラダイム―淘汰原理を超える制度進化の模索
第4章 市場の経済思想
第5章 社会主義と市場―中国社会主義市場経済論に見る唯物史観の黄昏
第6章 経済学と環境問題
第7章 市場経済化における慣習経済―フィリピンにおける貧困問題をめぐって
第8章 移行期における中国農村貧困問題
第9章 中国の移行期における所得分配