内容説明
誰もがもつ素朴な疑問から心理学の幅広く奥深い世界へ招待します！―板書に見立てたＷＨＩＴＥＢＯＡＲＤや理解確認のＰＯＩＮＴツール、イメージしやすい図表・イラスト等、親しみやすい工夫が満載。読んで・見て・考える楽しみを実感できる新しい入門テキストです。
目次
心は目に見えない―計量心理学
第１部 さまざまな心のとらえ方（目は心の一部である―知覚心理学；心は見えないが行動は見える―学習心理学；ヒトの心の特徴―進化心理学；心は脳のどこにあるのか―神経心理学；それぞれの人にそれぞれの心―個人差心理学）
第２部 さまざまな心のメカニズム（心は機械で置き換えられるのか―認知心理学；ヒトは白紙で生まれてくるのか―発達心理学；感情はどのような役割を果たしているのか―感情心理学；いい人？悪い人？―社会心理学）
第３部 心の問題のとらえ方（なんだかいやな気持ち―ストレスと心の病気；発達の偏りと多様性―発達障害；心の問題へのアプローチ―アセスメントと支援）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
morinokazedayori
41
★★★★★心理学の諸分野である、計量・知覚・学習・進化・神経・個人差・認知・発達・感情・社会心理学について、加えてストレスや発達障害と援助方法について書かれている。初心者向けながら若干踏み込んだ内容にも触れられているが、図やまとめのイラストも、文章そのものも非常に分かりやすい。心理学が幅広い問題を扱う学際的な学問であることや、様々な問題を科学的に解明できることがよくわかり、興味がつきない。2016/09/30
ペンギン
2
「自分の頭で考えて学ぶ」入門書、というコンセプトに惹かれて読んでみた。何となく偏見を持ってた心理学が、脳科学や実験、統計結果を積み上げて構築された学問だと知れて良かった。対人的な判断をするときにネガティブな情報に引っ張られる例等、考察を交えた解説も面白い。2021/07/03
霊滅術師 カイクウ
1
認知心理学では実体のない心というものを、情報処理過程と同一視できると考えた。この発想のベースには「アウトプットとして出てくる行動が同じであるものをつくることさえできれば、その行動の仕組みを理解できたとする」という認知科学の発想がある。コンピュータとは、入力装置から取り込まれた情報をもとに内部で処理を行い、モニターといった装置に情報を処理する機械であると言うこともできる。同じように、人間も耳や目から取り込まれた情報をもとに脳などの中枢で情報処理したのち、口や手といった「装置」から外部へと情報処理している2023/01/26
霊滅術師 カイクウ
1
認知心理学は歴史的には行動の科学である学習心理学に対する批判として登場した。学習心理学の背後にある行動主義（心理学のアプローチの１つで、内的・心的状態に依拠せずとも科学的に行動の変化を研究できるという主張）という考え方は「行動」という外側の目に見えるものを観測する事に特化したのに対し、認知心理学は実体のない心というものを情報処理過程と同一視できると考えた。この発想のベースには「アウトプットとして出てくる行動が同じであるものを作る事ができればその行動の仕組みを理解できたとする」という認知科学の発想がある。2022/01/03
霊滅術師 カイクウ
1
学習心理学は行動の変化を扱う。そして行動をレスポンデントとオペラントの2つに分類する。レスポンデントとは生物として生まれつき決まっている行動パターンの事で、オペラントは何によって引き出されるかあらかじめ決まっていない行動の事である。学習心理学では伝統的にオペラントに注目する。何故なら自由に自発される行動にこそ人間を含めた動物たちがよく生きていこうとする可能性が見出だせるからであり、学習、つまり、「できない事ができるようになる」（「やめたい事をやめられるようになる」）という行動変容の説明に適しているからだ。2021/12/30
