内容説明
教育基本法は、次の問いにどう答えるか 教師は何を教えてもいいのですか。義務教育9年は、固定的なのですか。能力別学級は、教育基本法に反しませんか。なぜ教師の身分は保障されているのですか。「教科書検定」は「不当な支配」ではないでしょうか。臨教審の「個性主義」と基本法の「個人の尊厳」は同じことですか。教育基本法は、混迷を深める現在の教育をきり拓く武器です。
目次
問われる教育基本法の精神
教育基本法はこうして生まれた
教育基本法を読む
ゆらぐ教育基本法
教育改革と教育基本法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
17
出版年は1986年。旧教育基本法から逸脱した日本の教育の現状を分析した内容である。 戦前の教育勅語に基づく国家主義的教育に対する反省に立ったのが旧教育基本法である。そこには個人の尊厳が謳われ、平和を希求する主権者を育てることを理念とする旨が書かれていた。いわば軍国主義教育との決別が明確な目的としてあった。 本書では「準憲法的な性格」を持つ旧教育基本法の精神が脅かされてきた歴史を説明している。本書で問題視されていた愛国心の強調と能力主義を基調にした教育は、教育基本法改正後、更に強化されている。2021/01/28