出版社内容情報
信仰・芸能・民俗など多方面から稲作文化の複合性,日本文化の源流にせまる。 目次 アジア稲作文化の道 日中稲作芸能の比較 秦氏と稲荷 日本における渡来系の民俗と芸能 傀儡子と社堂牌 韓国仮面舞劇のテーマと構造について【ほか】
内容説明
信仰、芸能、民俗の多方面から稲作文化の複合性にせまる。
目次
アジア稲作文化の道―わが古層の稲作をめぐる民俗とのかかわり
中国・江西省の追儺行事
射日神話と立竿祭祀からみた稲作の系譜
日中稲作芸能の比較
朝鮮半島と日本のシャーマニズムの比較
秦氏と稲荷
日本における渡来系の民俗と芸能
傀儡子と社堂牌―日韓の比較芸能史の試み
韓国仮面舞劇のテーマと構造について
フォーラム「渡来稲作文化にみる民俗と芸能」
感想・レビュー
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西東京のハリソンフォード
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特に古代以来の日本と朝鮮の文化的つながりについてがメインと感じた。歴史の表舞台には載らない、農民・常民の芸能や信仰、そして渡来人とその文化について解像度が上がった。特に、茨城県鹿島に渡来系の製鉄集団がいたこと、日本中世の「傀儡子」という漂流民、朝鮮文化との共通点としての鳥(竿)文化、についてが新しい発見だった。桓武期に既に秦氏などの渡来人は政治的中枢にかなりの割合で入っており、稲荷信仰も彼らの文化だった可能性がある。民俗学は乗り越えられるべきだが、日中韓の人・文化は相互影響と交流下にあったことは知るべき。2022/05/03