内容説明
歴史なき暗黒大陸アフリカ―このような誤解や偏見を超克し、アフリカ史を研究、学習することにはどのような意味があるだろうか。この問いに答えるため、本書では、われわれのアフリカ認識のあり方を探り、アフリカ史研究の歩み、課題、展望を概観しよう。そこで、アフリカ諸社会の人びとのダイナミックな軌跡をたどるすべを考えてみたい。
目次
1 アフリカのとらえかた
2 アフリカ史の課題
3 アフリカについての歴史記述の歩み
4 黒人王国、帝国
5 スワヒリ文明の起源
6 アフリカ史の学びかた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛇の婿
12
アフリカ史を学ぶ上で留意しなければならない点や、歴史上でアフリカ史に言及してきた書籍の紹介、ざっくりとスワヒリ文明の成立についての経緯とその研究に必要となる視点と解釈例など、なかなか簡易ながら役に立つ『アフリカ史を学ぶコツ」を書いてくれている本です。『リブレット(小冊子)』というだけあって80ページくらいしかないのですが、参考文献とかがっつり載っていますしこれからアフリカ史を学ぶ、もしくは興味を覚えて最初に読む本としてかなりの良本かと。2022/05/17
ピオリーヌ
8
私の学生時代、著者である宇佐美氏の『アフリカ史』講義を一年にわたって受講したことがある。その事を思い出させてくれる一冊だった。奴隷貿易や植民地化の結果、アフリカの社会は伝統として培ってきたものを奪われてしまった。アフリカや黒人に対する偏見は、用意に拭いされるものではないかと思うが、その束縛から早く逃れられなければ真の世界史理解とはなるまい。2020/09/28
ののまる
7
歴史学の手法に通じる大切な見方。2017/11/04
サアベドラ
7
アフリカ史入門。80ページほどの小著ながら研究史、史料、ケーススタディ(西アフリカのマリ・ソンガイ帝国と東アフリカのスワヒリ文化圏)とそれぞれの問題点が簡潔にまとめられている。2012/07/20
†漆黒ノ堕天使むきめい†
5
アフリカの歴史でソンガイ帝国のトンブクトゥとかマリ国のマンサ・ムーサとかかな?と思っていたが、それは昔の人ではそれさえもアフリカに住んでいた人の歴史ではなかったと考えられていたと分かった。 しかしアフリカ史はアジア史以上に習ったことがあまり無いようなイメージがあるので、発展していくべきことだと思う。2015/08/04